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宇野理論とパレート最適

さらば古典、されど古典

著:山本哲三

紙版

内容紹介

<資本主義とは何か? それを知らずにその将来は語れない。>

「科学として経済学」が成立する道には二つあった。一つは、健全な唯物論・経験論に根差したイギリスの古典派経済学、より正確にはリカードの道であり、マルクスの「資本論」や宇野弘蔵の経済学もこの系譜に属する。もう一つは人間の感情・意識を重視するいわゆる主意論・観念論の立場にたつ限界効用学派、より正確にはローザンヌ学派におけるワルラス・パレートの道である。本書は、この二つの経済学がいかに完成したかその成立プロセスと経済学認識の到達点を見ることで、両者の科学的な達成を評価すると同時にその限界を詳らかにしようとするものである。

目次

序 章 純粋経済学 ─資本主義とは何か

前編

第一章 唯物論とマルクス・宇野の価値法則論
A.自己疎外論から経済学批判へ
B.リカードとマルクスの労働価値説
C.宇野弘蔵の価値論

第二章 価値法則の論証
A.宇野弘蔵のユニークな価値論
B. 価値法則の論証─価値と労働時間
C.価値法則の体系─人口法則と生産価格

後編
第三章 ローザンヌ学派の純粋経済学 一般均衡の理論
A.ワルラスの純粋経済学
B.ワルラスの方程式体系
C.エッジワースとパレートの価値論
D.ローザンヌ学派の光芒

第四章 パレート最適と一般均衡
A.ヒックスの貢献
B.交換と生産の理論
C.価格機構と競争

第五章 経済学古典の到達点
A.宇野経済学の核心と近経の宇野理論批判
B.一般均衡理論と方法論
C.方法論の転回―ワルラスからパレートへ
D.二つの古典の特徴とその意義

終 章 現代経済学の誕生─社会科学の方法
A.物理学の発展
B.ケインズ革命(有効需要の原理)
C.耐久財のジレンマ ─二つの経済学の「古典」化
D.価値論から経済成長論へ
E.おわりに ─さらば古典、されど古典

著者略歴

著:山本哲三
早稲田大学名誉教授

ISBN:9784784528011
出版社:社会評論社
判型:A5
ページ数:208ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2023年11月
発売日:2023年11月13日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KCA