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バロック的叛逆の社会思想

ニーチェ・フロイト・ブルクハルト批判

著:石塚正英

紙版

内容紹介

現代世界において先史文化、原初的文化は滅んでいない、過去と現在の応答や交互運動、その視座を研究に取り込む意義を伝える学問論〔文明を支える原初性〕第5作。文明的思想家への原初的批判を通して行われるリベラルアーツの破壊と再建をめざす。

生成の発端・始原あるいは存在としての人類文化、これを忘れて結果・成果としての現代ハイテク文化を過信してはならない。

アルテスリベラレス(リベラルアーツのラテン語)は、ギリシア・ローマ時代であれば、奴隷制を前提にした自由人の教養でしかない。アリストテレスの奴隷観を知れば、彼は奴隷を倫理の対象に含めない教養人の典型である。私は、そのような教養観に叛旗を翻したのである。先史人や野生人を無視した教養など、教養ではない。だいたい、教養という語は、ドイツ語の"Ausbildung"という綴りで一目瞭然なように生成(Bildung)であり、およそ自然のままではない。
はしがきより

目次

Ⅰ バロック的叛逆
第1章❖バロックという社会思想
第2章❖野生的なまなざしの象形画家ジョアン・ミロ
第3章❖ニーチェ哲学の価値転換(Umwerthung)と
     歴史知の価値転倒(Werthumkehr)
第4章❖フロイトにおける野生(Wildheit)の意味
第5章❖ブルクハルト史観の批評
第6章❖幸徳秋水にとってのヘーゲル左派
Ⅱ 読書ノートという生き方
第7章❖ヤスパース『歴史の起原と目標』読書ノート
第8章❖読書ノートの時代
〔付録1〕諸文献摘要タイトル一覧II―2000年~2022年―
〔付録2〕ある社会哲学者の3年にわたるWith-CORONA

著者略歴

著:石塚正英
石塚正英(いしづか まさひで)1949年、新潟県上越市(旧高田市)に生まれる。立正大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程満期退学、同研究科哲学専攻論文博士(文学)。1982年~、立正大学、専修大学、明治大学、中央大学、東京電機大学(専任)歴任。2020年以降、東京電機大学名誉教授。2008年~、NPO法人頸城野郷土資料室(新潟県知事認証)理事長。

著作
歴史知のオントロギー ―文明を支える原初性、社会評論社、2021年
価値転倒の思索者群像―ビブロスのフィロンからギニアビサウのカブラルまで、柘植書房新社、2022年
フレイザー金枝篇のオントロギー ―文明を支える原初性、社会評論社、2022年
歴史知の百学連環 ―文明を支える原初性、社会評論社、2022年
歴史知のアネクドータ 武士神道・正倉院籍帳など、社会評論社、2022年
ほか多数

ISBN:9784784518968
出版社:社会評論社
判型:A5
ページ数:384ページ
定価:3400円(本体)
発行年月日:2023年03月
発売日:2023年03月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB