フレイザー金枝篇のオントロギー
文明を支える原初性
著:石塚正英
紙版
内容紹介
『金枝篇』はつとに文学・芸術・学術の諸分野で話題になってきた基本文献である。学術研究のために完結版の翻訳を神成利男から引き継いできた意義をオンライン解説講座で語り続けた記録。
目次
I フレイザーde 書斎の煌き
第1章 呪術の意味と効力・呪術と科学・自然を制御する呪術
第2章 肉体の危機は霊魂の危機・開放原理としてのタブー
第3章 フェティシズムとアニミズム・神々は儀礼から生まれた
第4章 神話の意味・神話世界の母神的性格
第5章 やらわれる神々ディオニューソスとスサノヲ・競技
第6章 神を食べること・ベンヤミンのアウラと本物の神
第7章 神殺しから犠牲殺しへ・キリスト磔刑譚
第8章 火祭・外魂のフォークローア
第9章 進化主義学説の歴史的意義・〔呪術から科学へ〕の21 世紀的意義
第10章 明治日本におけるフレイザー受容・南方熊楠と柳田国男
第11章 高木敏雄・折口信夫・出口米吉・松村武雄・羽仁五郎
第12章 満鉄調査部におけるフレイザーへの注目
Ⅱ フレイザー『金枝篇』に学ぶ
第13章 フレイザー『金枝篇』を読む―ビブリオ・ライブ連続講座
第14章 人(one-self)と自然(another-self)のbe 動詞連合
第15章 済州島の民俗儀礼―巫女と海女への歴史知的アプローチ
第16章 大嘗祭における呪術性の再検討―折口・フレイザー・ド= ブロスをヒントに
第17章 コロナ禍にみる呪術的闇と科学的闇―フレイザー『金枝篇』を参考に
第18章 ヤップ島に残る巨大な円形石の歴史知的意味―道徳的交換価値への架橋