もう一度…やり直しのための思索
フーコー研究の第一人者による7つのエッセイ
著:マチュー・ポット=ボンヌヴィル
訳:村上 良太
内容紹介
本書は社会の再構築から人生や家族のやり直しまで、「やり直す」とはどういう営みかを思索したエッセイ集である。しぶとく理想を実現する欧州人の頭脳を見える化した最良の本だ。(訳者=村上良太)
目次
1, 編み直し Reprise
◦ラッセルがフレーゲに宛てた不吉な手紙
◦「ラッセルのパラドックス」がフレーゲの企てを直撃
◦不屈の男、ラッセルの「やり直し」
◦「3月ウサギ」たちの逃走
2、 再生 Renaissance
◦もう一度始めることは可能か? ─形式主義をどう振り払うか?
◦始まりは一度しかない
◦政治の語源には「始める」という意味があった -ハンナ・アレント-
◦すべては始めなくてはならない
3 初期段階 Balbutiements
◦始める、ということ
◦始めることと、第一歩を踏み出すこと
◦デカルトの「最初の瞑想」までの長い時間
◦チェーザレ・パヴェーゼの苦しみ
4 続行 Continuation
◦再開は継続ではない
◦ベケットの「名付け得ないもの」の絶え間ない声
◦むしろ、完全に失敗することが再開の条件
5 反復 Répétition
◦ラカンの「知っていると想定される主体」とその転落
◦1990年代のAct-Up Parisの活動家たちによるエイズとの闘い
◦ハンス・ブルーメンベルクの「前兆」の研究 ─歴史は繰り返すのか?
6 引き波 Ressac
◦言語(ラング)と表現(パロール)の結び目の場所を指し示す
◦ジュディス・バトラーとフェミニズム運動の経験
◦ミシェル・ド・セルトーの「パロールの奪取」と五月革命
7 誤りの繰り返し Récidive
◦フロベールの未完小説「ブヴァールとペキュシェ」
◦永遠に学べない二人
◦歴史という壮大な漫画の疲れを知らぬ登場人物たち