侵略と抵抗
上海事変と尹奉吉(ユン・ボンギル)
著:山口 隆
紙版
内容紹介
日本の侵略に叛逆し、金沢で処刑された尹奉吉(ユン・ボンギル)
本書は、日本の侵略と朝鮮支配に叛逆して上海で行動を起こし、金沢で処刑された尹奉吉に関するものです。1932年4月29日、朝鮮人・尹奉吉は、上海で行われた天長節の式典で、爆弾を投擲し、上海派遣軍司令官陸軍大将白川義則など要人2名を死亡させ、要人多数に重軽傷を負わせました。激烈な上海戦の最終局面における彼の行動は、中国人から広く賞賛されたことからも、尹奉吉の行動は上海戦と切り離すことができない関係にあります。上海事変の全過程を捉え直すことで、上海抗日戦争と朝鮮独立運動との関連を明らかにし、侵略に対する抵抗の意味を考えるのが本書の内容です。
目次
第一部 上海 ─ほんものの戦争
第一章 不抵抗の満州事変
第二章 抵抗の上海事変
第三章 通説は成り立つのか
第二部 もう一つの抗日戦争
第一章 上海事変と独立運動
第二章 「白川は死んでいない」
第三章 顕になった負の側面
第四章 奪われないために
第三部 抗日に向き合う
第一章 埋葬地跡が示すもの
第二章 未来に何を残すのか