私のことはわたしが決める
松本移住の夢をかなえたがん患者、77歳
著:竹内尚代
内容紹介
「わがまま」とは自分を大切にすること。自分の気持ちに嘘をつかない生き方を貫く作者の人生がそのまま伝わってきます。がんになっても、高齢になっても楽しく生きられる秘訣がここに! 鎌仲ひとみ(映画監督)
何より「あがたの森」が大好きになった。
大正時代の建物が保存された旧制松本高校。歩くとキシキシと鳴る廊下を渡っていくと、当時の校長室がある。教室だったところでは地域の住民が打ち合わせをしていたり、ピアノやチェロやバイオリンの練習をしていたり。静謐な中庭では、大きな古木の枝垂桜と彫刻が目を楽しませてくれる。
残り少ない人生、最後の章を新しい土地で送ってもいいのではないか。 (プロローグより)
目が悪くなったのを知って、2年くらいのうちにぜひ書きたいと思ったこの本は、はじめはがん患者へのエールのつもりだった。しかし、自分のことを書いているうちに、その時々の時代にいかに影響を受けて生きてきたのかを振り返ることになった。
女も男も、ジェンダーに押し込められることなく自由に生きていけたらいい、との想いで生きてきた一人の女の記録としても参考になればいい。 (エピローグより)
目次
第1章 ボーボワールに導かれて
軍事郵便に残された父の愛/「主婦の友」からフリーの編集者に転身した母/女の子の学歴は、お見合いの釣書のため?/デモからとんずら、遊んでばかりの女の子/穏やかな物言いの青年との出会い/結婚/出産とキャリアは引き換えなの?
第2章 〝事実婚・未婚の母〟でいこう
在日朝鮮人の現実にふれて/徐兄弟との出会い/なぜ私が徐兄弟の支援をするのか/新しい恋、新しい命/新天地で感じた“連帯〟/“未婚の母”として子どもを産む/離婚と事実婚で、息子は自家中毒に…… /子持ち30女には職がない
第3章 地域で働き、地域で闘い、地域で子どもを育てる
“緑のおばさん”はハードワーク/教員へのサービスも仕事のうち?/え、これがストライキなの?/3人目の女の子、誕生/共同保育所「ごたごた荘」で子育てを/地域に根ざして/性格テストも就学時健診も拒否!/職種を守るための闘い/「竹内さんに拍手しようよ!」/「自治労」か「自治労連」か、迫られた選択/朝礼台に立つ“緑のおばさん”
第4章 がん告知と変わりゆく家族のかたち
卵巣がんの告知/職場復帰したものの……/働き続けるためには、腸ヘルニア根治手術を/腸閉塞で入退院を繰り返す/幻の「ジュエリーhisayo」/崩れていく夫婦のかたち/友人たちに病気の私を頼む、と言いおいて……/からっぽになった家で/まさかの再発/“神頼み”で教会行脚に仏像購入!/癌研でピカイチ、A先生の執刀/“わがままな患者”になろう/初めての仕事で、頭がぐりぐりに……/再雇用4年での異動、最後の職場
第5章 定年退職後も“現役活動家”として
「大泉第二中学校道路問題」との出会い/生涯忘れられない東日本大震災/「福島こども保養プロジェクト@練馬」始動/福島の親子と時間を共有した保養キャンプ/「東京保養プロジェクト」として産後のケアを/飯能での保養キャンプへ/滞在型保養ハウスを練馬に開設、地域に広がる保養応援/支援は誰のため?
第6章 自分のことは自分で決める
再びの再発。これからどう生きていく?/「A先生、手術に立ち会ってください」/まさかの多発再発…… /友人たちと訪問看護師に支えられて/「早く手術してもらわないと、困るわ!」/実況中継付きの手術/医者との付き合い方/東洋医学との出会い/腫瘍の位置を言い当てた整体師も!/治療費に押され、困窮していく生活
第7章 いざ、移住へ!
気持ちは松本へ/高齢での部屋探しがこんなに大変だとは!/引っ越しも地域の友人たちの支えで/引っ越してはきたけれど……/新たな土地でも、体のメンテナンスを/行政の力を借りれば、高齢者も一人で暮らせる/地域の集まりに顔を出してみる/松本の地理と歴史を学ぼう/松本で初めてのイベント開催!/認知症になったら、どうする?/老人ホーム入居を見据えて、マンション購入/松本に骨を埋めよう
ISBN:9784784511617
。出版社:社会評論社
。判型:4-6
。ページ数:240ページ
。定価:1700円(本体)
。発行年月日:2022年12月
。発売日:2022年12月12日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:DNB。