村山知義の演劇史
著:井上理惠
内容紹介
前衛運動の旗手が問うた芝居への疑問。
村山知義(1901-1977)は大仰な宣言や理論を立ち上げ演劇運動者として先頭を走っていたばかりではなく、現代劇はどうあればいいのかをあらゆる側面から考えていた。その複雑な演劇人の1920年代から敗戦直後までを追った演劇論。
〈個々人が時代の中で生み出してきた結果の演劇史〉を形作る論集。
目次
目次
第Ⅰ部 村山知義の演劇史
第1回 はじまりの時
第2回 築地小劇場
第3回 挿絵、そして心座
第4回 心座の「孤児の処置」
第5回 左傾化への契機〈無産者の夕〉
第6回 前衛座から左翼劇場へ
第7回 新興芸術―プロレタリア演劇
第8回 村山知義の演出―商業演劇と「蟹工船」
第9回 「暴力団記」の上演
第10回 プロレタリア演劇の盛況
第11回 村山不在時の演劇集団
第12回 一九三一年から三三年へ
第13回 千田是也の帰国と戦略
第14回 「プロレタリア演劇」
第15回 プロット解散への歩み
第16回 新劇団大同団結
第17回 「夜明け前」上演
第18回 リアリズム
第19回 新協劇団の仕事
第20回 一九三七年新協劇団と新築地劇団
第21回 新劇全盛から解散への道
第22回 「石狩川」と「大仏開眼」
第23回 「皇紀二千六百年」と新劇人一斉検挙
第24回 「不条理・検挙・保釈
第Ⅱ部 演劇的足跡
はじめに
第1章 プロレタリア芸術デビュー
第2章 〈日本のダ・ヴィンチ〉
第3章 左翼劇場のプロレタリア・リアリズム
第4章 大同団結提唱と発展的リアリズム
第5章 「夜明け前」上演とリアリズム
第6章 戦時中―匿名演出と朝鮮半島
第7章 敗戦直後の活躍とその後
第Ⅲ部 村山知義と朝鮮
はじめに
第1章 朝鮮芸術へ向かう
第2章 村山と朝鮮の芸術家
第3章 「春香伝」と『文学界』
第4章 座談会「朝鮮文化の将来」
第5章 『モダン日本 朝鮮版』(一九三九年・四〇年版)
第6章 敗戦前の渡鮮
おわりに
引用文献
井上理惠の研究 1984~2022(単著・編著・共著・論文)
ISBN:9784784511600
。出版社:社会評論社
。判型:A5
。ページ数:336ページ
。定価:3200円(本体)
。発行年月日:2022年11月
。発売日:2022年11月28日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:AT。