清水邦夫の華麗なる劇世界
著:井上 理惠
紙版
内容紹介
久保栄が亡くなった1958年に、清水邦夫と福田善之がデビュー。久保栄や村山知義たちが切り開いた輝かしいリアリズム演劇の時代に反旗を翻す若い劇作家の登場であった。以後、半世紀にわたって展開された清水邦夫の劇世界をひも解いていく。
「木冬社で舞台化された清水戯曲は、可能な限りみた。そしていつも心豊かにしてくれた。ほとんど落胆したことはなかった。これは稀なことである。いつも松本典子のあの声とセリフと身体がなくては、清水邦夫の世界は完結しないような想いを抱かせた。それは清水戯曲の女性は、松本典子に宛ててかかれているからだ。こんな幸せな女優は他にいないだろう。」(著者)
目次
【主要目次】
第一部 清水邦夫の登場
第一章 「署名人」から「狂人なおもて往生をとぐ ――昔 僕達は愛した――」へ
第二章 初期の戯曲 ――「署名人」「明日そこに花を挿そうよ」
「逆光線ゲーム」「あの日たち」
第二部 清水邦夫の戯曲〈愛〉の三部作
第一章 「弟よ ――姉乙女から坂本龍馬への伝言」
第二章 「哄笑 ――智恵子、ゼームス坂病院にて」
第三部 一幕物の劇世界を語る
共同研究の事
第一章 『署名人』から始まる清水戯曲の魅力について
第二章 「エレジー ――父の夢は舞う――」
第三章 『楽屋』の虚構性 ――その謎を解く
第四章 「ぼくらは生まれ変わった木の葉のように」
第五章 「昨日はもっと美しかった」とは何か
第六章 「イエスタディ」
第七章 女優 松本典子
★清水邦夫戯曲発表年・初演一覧