琳派 響きあう美
著:河野 元昭
紙版
内容紹介
※作品そのものに誠実に向き合い、画像・文献を問わずあらゆる史料を博捜する、堅実な学問的営為でありながら、広範な学識と鋭敏でしなやかな感性に支えられた叙述力で、その時代を生きた作家たちの息づかいまでが伝わる、豊穣な河野美術史の世界。
※日本近世絵画史全体にわたる業績のなかから、その中核をなす琳派研究を集大成。
※光悦・宗達・光琳・乾山・抱一・其一など、琳派と呼ばれる芸術家たちが互いにどう影響しあい、独自の美を生み出してきたのか。今もなお人びとを魅了してやまない才能あふれるクリエーターたちの実像に迫る27篇。
目次
序 章 琳派と写意
Ⅰ
第1章 光悦試論
第2章 宗達関係資料と研究史
第3章 養源院宗達画考
第4章 宗達における町衆的性格と室町文化
第5章 宗達から光琳への変質
第6章 宗達金銀泥絵序説
第7章 琳派の主題―宗達の場合
第8章 宗達と能
Ⅱ
第9章 光琳水墨画の展開と源泉
第10章 光琳二大傑作の源泉と特質
第11章 尾形光琳と大坂
第12章 光琳と能
第13章 光琳水波試論
第14章 光琳と津軽家
第15章 光琳と乾山―山根有三先生の墓前に捧ぐ
第16章 渡辺始興筆「真写鳥類図巻」について
Ⅲ
第17章 乾山の伝記と絵画
第18章 乾山と定家―十二か月花鳥和歌の世界
第19章 乾山と光琳―兄弟逆転試論
Ⅳ
第20章 抱一の伝記
第21章 抱一の有年紀作品
第22章 光琳百図の基底
第23章 抱一筆十二か月花鳥図考
第24章 抱一筆十二か月花鳥図における和と漢
第25章 酒井抱一の芸術―微光感覚を中心に
第26章 鈴木其一の画業
索引(作品名/文献・資料名/人名)