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ゴキブリ研究はじめました

「ゴキブリ嫌い」だったけど

著:柳澤静磨

紙版

内容紹介

■知ると、「嫌い」はふっとんだ。
ゴキブリ数万匹を飼育研究し、つぎつぎに新種ゴキブリを発見する「ゴキブリスト」の奮闘記。
図鑑のゴキブリが載ったページをセロハンテープで閉じてしまうほど大嫌いだったのに、なぜゴキブリ研究を始めたのか?
そのきっかけには、知られざるゴキブリの姿、いわゆる“G”的なイメージとはかけ離れた、バリエーション豊かな形態・生態がありました。

■見つけるだけでは「新種」にはならない
「新種の生き物を見つけて捕まえる」だけでは、新種は新種として世に出ることができません。
多数の標本を集め、解剖で交尾器を取り出したり、DNAを調べたりして、他の種類とどこが違うのか検討し、論文を書く必要があります。柳澤さんの場合、最初の発見から論文の出版まではおよそ2年半を費やしました。
生き物が好きで、「いつか新種を発見してみたい」「名づけてみたい」と夢見る若い読者にも、本書は参考になるはずです。

■ゴキブリも、生態系の大事な一員
「ゴキブリなんて、絶滅すればいい!」
こんなふうに思ったことのある人もいるかもしれません。
でも、雑食でさまざまなものを食べるゴキブリは、朽ち木や落ち葉などを食べる「分解者」として活躍しています。
「害虫」だけではない、彼らのステキな一面に迫りましょう。

目次

<目次>==
★第1章 ゴキブリはなぜ嫌われるのか
●実はカマキリの親戚、ゴキブリ●ゴキブリが嫌われる理由【コラム】幸福を呼ぶ「白いゴキブリ」?
★第2章 ゴキブリを知る
●「家に出るゴキブリ」は何者か?●「家に出ないゴキブリ」はたくさんいる●ゴキブリの都市伝説
●ゴキブリのチャームポイント●ゴキブリは「黒い」か?●ゴキブリは「汚い」か?●ゴキブリは「必要」か?
【コラム】みんな大好き「ごきぶりホイホイ」
★第3章 ゴキブリ嫌い、ゴキブリの道へ
●ゴキブリ嫌いの虫とり少年●生き物好きの天職、昆虫館職員●ゴキブリは事務所で飼わないでください
●飼育とゆらぎ●ヒメマルゴキブリとの出会い●ゴキブリって、おもしろいかも?
【コラム】あぁクセになる、ゴキブリの匂い
★第4章 ゴキブリ飼育はトライ・アンド・エラー
●手探りの飼育環境づくり●脱走を防げ!●ゴキブリの生涯●実は飼育に向いている?
【コラム】ゴキブリは何を食べる?【コラム】ゴキブリを食べてみた
★第5章 いざ、ゴキブリ展
●思いつきと企画●実施に向けて●ゴキブリが映えるステージをつくれ!●企画展、開始
【コラム】ゴキブリの鳴き声
★第6章 ゴキブリ研究はじめました
●二度目の沖縄、与那国島●探せ、謎のゴキブリ!●島野先生、来る●研究開始
●ゴキブリ標本はコツがいる●もしかして、3種いる?●強い味方の登場●さらなるフィールドワーク、しかし……
●数ミリ世界の解剖
【コラム】ゴキブリ標本の作りかた
★第7章 ゴキブリは、嫌われてるからおもしろい
●記載論文を書く●新種に名前をつける●いざ、投稿●35年ぶり、新種ゴキブリの記載●新種を記載する意義
●ゴキブリが魅力的である理由
【コラム】新種の発見はお金になる?

■番外編 第4のルリゴキブリ
■付録 まだまだいるぞ! 世界のゴキブリ

著者略歴

著:柳澤静磨
  1995年生まれ、東京都出身。幼いころから生き物が好きで、専門学校卒業後は静岡県の昆虫館・磐田市竜洋昆虫自然観察公園に入職。ゴキブリの魅力に気づいた後は同園で『ゴキブリ展』を企画・運営し、「GKB総選挙」などのユニークな催しで注目を集める。
 2020年、所属する研究チームとともに、35年ぶりとなる日本産ゴキブリの新種・ウスオビルリゴキブリ、アカボシルリゴキブリの2種を発表。その後、ベニエリルリゴキブリ、イツツボシルリゴキブリ、アカズミゴキブリについても記載を行うなど、ゴキブリ研究を続けている。
企画展示、講演会、SNSやブログを通じ、ゴキブリの魅力、生物保全の重要性について発信を行っている。

付属物

 

ISBN:9784781620954
出版社:イースト・プレス
判型:4-6
ページ数:192ページ
定価:1500円(本体)
発行年月日:2022年07月
発売日:2022年07月07日