アンダンテ
著:志磨 泉
紙版
内容紹介
上手く笑へず上手く怒れず初鏡
泉さんの自画像である
それは、人間関係における
自己表現のむずかしさ――
しかし彼女のうちに備わった
音楽性は その俳句作品に
独自のリズム感をもたらしている
(帯より・行方克巳)
◆自選十句
視程五マイル初凪の地中海
上手く笑へず上手く怒れず初鏡
実朝忌ことばの力疑はず
一頁手前に栞春灯
吾子に買ふ片道切符風光る
南風を味方につけて棒倒し
帰省子のまづ弟のことを問ふ
同じことまた問ひかけて墓洗ふ
妬心とはかういふかたち曼珠沙華
あれが君さう決めて見る寒オリオン
目次
序・西村和子
第一章 草は実に 平成二十二年~平成二十三年 17
第二章 頰杖 平成二十四年 45
第三章 ことばの力 平成二十五年 71
第四章 螺旋階段 平成二十六年 101
第五章 片道切符 平成二十七年 127
第六章 白靴 平成二十八年 165
あとがき
著者略歴