1981
著:手塚 敦史
紙版
内容紹介
◆第5詩集
あることの悲しみのため、小さな字で書き込んでおいたわたしとは、誰か誰でもないものを指す一人称なのかもしれない。(あとがきより)
◆「再訪」より
二人でいるよりも一人でいたほうがよい
一人でいるなら一度は夜の森の奥へ、入って行くとよい
いつしか暗やみをおそれ─
…抱くことを覚え、身の竦む思いをするようなら後ろへだんだんと、引き返して行けばよい
何かにみられている
通行人のテンポに合わせ、アザレアの来たほそみちに灼ける皮ふの痛覚─
目次
ひかりは、カスタネット 2
恋人達 4
友達 10
色の名 14
河川敷 16
拒む 18
ナンテンの赤い実 20
シュウカイドウの花の中へ 22
再訪 24
家 26
夜 28
名はセカンド 30
しずくに寄せる 34
接触 36
点と線の、歌 38
高さ 42
カエデの髪飾り 4
あきの日 46
しず気 48
ふゆの読書 50
かたち 52
空ける、あける、 56
石になるには 60
方位 64
スイエバ・ギター 66
枝を折る 70
層 74
みづゑの木に 76
色彩感覚 80
小路 82
車窓から 86
ポケットの綿埃 90
季節のためのエクリ 9