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地球環境シリーズ

水素エネルギーの開発と応用《普及版》

監:幾島 賢治
監:幾島 貞一

紙版

内容紹介

2014年刊「水素エネルギーの開発と応用」の普及版。様々なエネルギー源からの水素製造技術、多岐にわたる水素の貯蔵および輸送技術、水素を利用した燃料電池、火力発電なども多数掲載している。

目次

第I編 総論編

第1章 日本のエネルギー展望  
1 水素の重要性に言及した新「エネルギー基本計画」
2 「木を見て森を見ず」
3 「元に戻る再稼動」ではなく「減り始める再稼動」
4 2030年の原発依存度は15%程度か
5 リアルでポジティブな原発のたたみ方
6 なぜ「リアル」さと「ポジティブ」さにこだわるのか
7 原発からの出口戦略

第2章 水素社会とは 
1 背景
2 現状の水素の用途および製造
3 水素社会に向けての動向
3.1 家庭用燃料電池
3.2 燃料電池自動車
3.2.1 自動車の概要
3.2.2 水素ステーション
3.3 水素火力発電所


第II編 製造編

第3章 シェールガスからの水素製造  
1 シェールガスの概説
1.1 シェールガスの新掘削技術
1.1.1 水平掘削
1.1.2 水圧破砕
1.1.3 水銀除去
1.2 シェールガスの現状
1.2.1 埋蔵地域
1.2.2 市場動向
2 シェールガスからの水素製造
2.1 水蒸気改質
2.2 部分酸化法
2.3 自己熱改質法
2.4 水素分離型改質
2.5 低温プラズマ改質

第4章 天然ガスからの水素製造 
1 はじめに
2 水素製造法
2.1 改質部門
2.1.1 脱硫
2.1.2 改質
2.1.3 CO変成
2.2 精製・分離部門
2.2.1 吸収法
2.2.2 深冷分離法
2.2.3 吸着法
2.2.4 膜分離法
3 最近の水素製造法の進歩
3.1 大型の合成ガス製造装置
3.1.1 無触媒部分酸化(POX)プロセス
3.1.2 自己熱改質(ATR)プロセス
3.1.3 自己熱改質(AATG)プロセス
3.2 オンサイト型小型水素製造技術
3.2.1 工業雰囲気ガス用
3.2.2 自動車用水素供給ステーション
4 新規水素製造技術の開発
4.1 膜分離型水素製造法
4.2 熱分解法
4.3 プラズマ分解法
4.4 ベンゼン併産法
4.5 CO2固定型
5 おわりに

第5章 石炭からの水素製造 
1 緒言
1.1 一次エネルギー源としての石炭
1.2 石炭からの水素製造
2 石炭ガス化からの水素製造
3 石炭ガス化技術
3.1 石炭ガス化の反応原理
3.2 石炭ガス化炉の分類
3.3 噴流層ガス化炉
3.3.1 Shell ガス化炉
3.3.2 GE (前Texaco) ガス化炉
3.3.3 EAGLE ガス化技術
4 HyPr-RING法による水素製造技術
5 コークス炉ガス(COG)からの水素製造
6 まとめ

第6章 石油精製における水素製造  
1 はじめに
2 製油所の装置構成
3 製油所からの水素製造
3.1 接触改質装置
3.2 水素製造装置
4 製油所の水素製造余力
5 オフガス水素の回収
6 製油所における水素の貯蔵
7 国内製油所がエネルギー水素供給に貢献する可能性

第7章 光合成微生物による水素製造  
1 緒言
2 光合成微生物による水素製造とは
2.1 水素を製造可能な光合成微生物
2.2 光合成微生物によるCO2固定能
2.3光合成微生物による水素製造に関する最新研究
3 光合成細菌による光水素製造のコストと環境性
3.1 光合成微生物による水素製造システム
3.2 前提諸条件の試算
3.3 試算結果
4 結言

第8章 PSA法による水素精製  
1 水素PSAの歴史
2 吸着分離プロセスの特徴
2.1 吸着を利用した気体分離方法の比較
2.2 PSAに用いられる吸着剤の種類と性質
2.3 吸着剤の選定
2.4 PSA装置の構成
3 水素PSA装置の概要
3.1 主な水素源
3.2 代表的な水素精製方法
3.3 水素PSAの運転パターン
4 当社の水素PSA紹介
4.1 納入実績
4.2 特徴
4.2.1 吸着剤
4.2.2 運転プロセス
4.2.3 運転レート
4.3 装置性能
5 おわりに

第9章 アルカリ金属系サイクルを用いた低温熱化学水素製造  
1 はじめに
2 熱化学水素製造
3 M-Redoxサイクル
3.1 反応サイクルとその特徴
3.2 非平衡反応を用いた熱力学特性制御
3.3 水素製造特性
4 おわりに

第10章 二段階水熱分解ソーラー水素製造システムの開発 
1 はじめに
2 水熱分解ソーラー反応器の研究開発動向
3 反応器試験に関する現在の取り組みと今後の展開について


第III編 輸送・貯蔵・インフラ編

第11章 圧縮水素容器の種類と技術課題  
1 緒言
2 高圧水素容器の技術基準
2.1 国内外の技術基準の動向
2.1.1 70MPa FCV搭載用容器
2.1.2 35MPa輸送用車両搭載用容器
2.1.3 82MPa蓄圧器用容器
2.2 海外の技術基準の動向
3 複合容器の種類と構造及び製造プロセス
3.1 種類・構造・構成材料
3.2 アルミ合金ライナーC-FRP容器の製造プロセス
3.3 プラスチックライナーC-FRP容器の製造プロセス
4 高圧ガス容器の要求仕様
4.1 要求仕様
4.2 適用事例
4.2.1 高圧水素運送車両へのType 3容器の適用
4.2.2 海外の蓄圧用Type 2 容器の適用
5 本格普及に向けて水素ステーションの低コスト化への取組
5.1 NEDOの取組
5.2 蓄圧用複合容器の低コスト化に関わる研究
5.2.1 Type 4複合容器の開発
5.2.2 アルミ合金ライナーType 3複合容器の開発
5.2.3 スチールライナー複合容器の開発
6 蓄圧器用複合容器の今後の技術課題
6.1 Type4容器ライナー材料の要求性能
6.1.1 水素透過性
6.1.2 既存の樹脂ライナーの耐久性と設計思想
6.1.3 機械構造用プラスチックの耐久性
6.2 アルミ合金ライナーType 3容器の疲労寿命
6.3 Type 1容器用候補材料(SCM435)の水素脆性
7 まとめ

第12章 アンモニア 
1 はじめに
2 アンモニアの特性
3 アンモニアの生産
4 アンモニアを用いた水素エコノミー
4.1 アンモニア製造技術
4.1.1 CO2フリーアンモニア製造
4.2 アンモニア輸送技術
4.3 アンモニア利用技術
4.3.1 水素輸送媒体(水素キャリア)
4.3.2 内燃機関
4.3.3 アンモニアSOFC
5 まとめ

第13章 高圧鋼製蓄圧器と水素吸蔵合金を用いたタンク

1 高圧鋼製蓄圧器  
1.1 はじめに
1.2 鋼製蓄圧器材料
1.3 水素ガス中の疲労き裂挙動
1.4 水素ステーション用鋼製蓄圧器

2 水素吸蔵合金を用いたタンク 
2.1 はじめに
2.2 自動車への適用
2.3 水中船舶用
2.4 燃料電池スクーター
2.5 水素吸蔵合金キャニスター
2.6 再生可能エネルギーの貯蔵
2.7 おわりに

第14章 水素ステーション(水素スタンド)普及のための具体的提言 
1 はじめに
2 何故 今 水素社会なのか
2.1 原発停止と円安で,日本の国富は海外に流出中
2.2 都知事選での原発問題と東京都民としての筆者の責任
2.3 燃料電池自動車の発電能力に期待
3 自動車向けのガス体エネルギーの歴史から学ぶ
3.1 天然ガス自動車が普及しなかった理由
3.2 LPガス自動車がタクシー業界に普及した理由
3.3 一般車にまでは普及しなかった理由
4 FCVは魅力ある車なのか,普及するか 筆者のFCVとの出会いと当初の不安
4.1 結論 一般消費者から見てFCVを乗ってみたい魅力ある車にする
5 水素スタンド普及を考える 魅力あるビジネスにするために
5.1 巨大な水素スタンドのイメージSSが完成
6 水素スタンドの更なるコンパクト化が急務
7 垣見油化八王子SSでの具体例
8 水素スタンド 垣見提唱ビジネスモデル
9 水素スタンドの数の拡大はSSに普及した格安レンタカーを参考に
10 FCV水素スタンド普及の起爆剤はタクシー会社への差額提供
11 オートスタンドも実は水素スタンドの有力候補
12 最終必要数は,約5,000カ所
13 最後の課題は,水素の搬入方法の確立
14 一般社会に対する水素社会やその普及のメリット等の情報発信やアピールが必要


第IV編 応用編

第15章 固体水素源型燃料電池
1 開発背景
2 開発内容
2.1 固体水素源
2.2 水素流量コントロール
2.3 薄型燃料電池
3 固体水素源型燃料電池の種類と特徴
3.1 小型タイプ(定格電圧5 VDC, 発電量5 Whr)
3.2 高出力タイプ(定格電圧12 or 24 VDC, 発電量200 Whr)
3.3 ハイブリッド高出力タイプ(マルチ出力5 V,USB・2口,AC100 V)

第16章 家庭用燃料電池の本格普及に向けての現状と課題 
1 はじめに
2 家庭用固体高分子形燃料電池コジェネレーションシステムの開発概要
3 燃料電池システム構成要素毎の技術開発内容の概要
3.1 燃料処理装置および触媒の開発
3.2 セルスタック
3.3 システム制御装置
4 今後のさらなる高性能化と大量普及に向けての技術課題と展望

第17章 水素エンジン自動車 
1 水素を自動車燃料とすることの意義
1.1 水素による電気エネルギーの貯蔵
1.2 自動車における水素利用と排出ガス
1.3 自然エネルギー利用における車両システムと水素
2 水素エンジン自動車の特徴と技術的課題
2.1 燃料電池自動車と比較した水素エンジン自動車の利点と課題
2.2 水素エンジンの出力と熱効率
2.3 水素エンジンの冷却損失低減
2.4 水素エンジンにおける窒素酸化物の生成とその低減策
3 水素の車両搭載方法とエネルギー密度
3.1 水素と二次電池のエネルギー密度
3.2 水素キャリアとしてのメタノール
3.3 水素による低温酸化抑制効果を利用した廃熱回収式メタノール改質HCCIエンジンシステム
4 まとめ

第18章 燃料電池自動車のポテンシャルと導入シナリオ 
1 はじめに
2 FCVの利点
3 ユーザへの訴求ポテンシャル
4 FCVの普及シナリオ
5 FCVの導入セグメント

第19章 富士電機における産業用燃料電池  
1 はじめに
2 定置用大型燃料電池の開発経緯
3 普及状況と新型機(FP-100i)の用途展開
4 おわりに

第20章 水素発電 
1 背景
2 火力発電の概要
2.1 ボイラー
2.2 タービン
2.3 復水器および冷却器
2.4 煤煙処理設備
3 水素発電の現状
4 水素発電の今後
4.1 水素の製造
4.2 水素の運送・貯蔵
5 まとめ

あとがき 「おもてなしの心が導く水素社会」 
1 地球の危機
2 おもてなしの心とは
3 おもてなしの心は茶道にあり
4 おもてなしが地球の危機を救う

ISBN:9784781315683
出版社:シーエムシー出版
判型:B5
ページ数:218ページ
定価:3900円(本体)
発行年月日:2021年06月
発売日:2021年06月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TBC