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地球時代と平和への思想

著:堀尾輝久

紙版

内容紹介

 ウクライナ戦争、北朝鮮のミサイル連続発射、台湾……それらにかこつけて、9条では平和は守れない、防衛費をGDP比2%に引き上げ、敵基地攻撃能力を持つべきだと喧伝されている。
 果たしてそうなのか。「戦争」の危機に対抗するのは軍備なのか。核戦争と気候変動をも考えると、私たちはいま、まさに人類と地球の危機に立ち会っている。
 どうすればよいのか。本書は、前のめりにならず、あらためて第二次世界大戦以後の歴史をふまえ、国連憲章、日本国憲法の理念を再確認し、今日の時代を〈地球時代〉の視点からとらえ直すことを提起する。

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著者は、第二次世界大戦の終結を転機として、「反ファシズムと人権・民主主義・平和への努力、植民地の解放を求める価値観の転換を基軸とする〈人類と地球の再発見時代・地球時代〉の始まり」と捉える。だがいま、「コロナ禍の広がり、ウクライナ戦争、地球環境の悪化は深刻である」。
このとき拠るべきものは何か。「国連憲章、ユネスコ憲章、核兵器禁止条約、そして平和憲法をこそ生かさなければ日本も世界〈地球〉の未来もない。非戦、非核、非武装、非暴力の〈平和に生きる権利〉こそ豊かに根づかせねばならない。〈戦争と抑圧の文化と教育〉は〈平和と解放の文化と教育〉に変わらなければならない」(本書「まえがき」より)。
鋭い問題意識をもとに研究・分析を重ねてきた著者の強靭な思索がよくうかがわれる力作。
「今こそ地球平和憲章の出番だ、さもなくば世界と地球は終わりだと思う。絶望せず、希望を失わず!」(「あとがき」より)。

目次

第一部 地球時代とその課題認識
第二部 地球平和憲章への歩み
第三部 平和への思想
終わりに 目の前の戦争

著者略歴

著:堀尾輝久
1933年生まれ。東京大学法学部卒、同人文科学研究科教育学、博士。教育思想史。同大学名誉教授。日本教育学会会長、日本教育法学会会長、総合人間学会会長、日本学術会議会員など歴任。フランス・パルムアカデミー賞受賞。現在、「子どもの権利条約市民・NGOの会」代表、「9条地球憲章の会」代表。著書に『現代教育の思想と構造─国民の教育権と教育の自由の確立のために─』(岩波書店)、対談集『自由な人間主体を求めて』(本の泉社)など。

ISBN:9784780722284
出版社:本の泉社
判型:4-6
ページ数:472ページ
定価:2909円(本体)
発行年月日:2023年01月
発売日:2023年01月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JPS