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総合人間学16 人新世とAIの時代における人間と社会を問う

編著:総合人間学会

紙版

内容紹介

「私たちが生きている「便利な社会」はデジタル技術によって自動的に運用されていて、この社会システム(装置)の設計者やプログラマーは誰なのかよくわからないものになっていることに気付く。……この一見幸せな自動社会装置は、命を繋いでゆくこと、戦争をなくすことの前でたじろぐことなくすすんでゆくのだろうか。必要な時に装置の働きに待ったをかけることができるのだろうか。装置をバージョンアップして危機を乗り越えてゆく以外の道はないのだろうか。時代の深い転換のなかで問いあうことをはじめたい」(中村俊「はじめに」より)。2021年6月に開催されたオンラインの学会シンポジウムをもとに、報告者・コメンテーターが執筆した。

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 人間と自然の物質代謝の破綻がだれの目にも明らかになっている状況にたいして、一人ひとりがどうすればよいのかを考えようとするとき、「脱成長」「環境正義の実践と教育」は避けて通れない課題であろう。そして、その課題が提起することがらを具体的に考えてみると私たちが生きている「便利な社会」はデジタル技術によって自動的に運用されていて、この社会システム(装置)の設計者やプログラマーは誰なのかよくわからないものになっていることに気付く。自動社会装置のメカニズムは一般の眼にはますます不透明になり自然にことが運ばれているかのように思える。脱政治化しているとも言えるだろう。
 この一見幸せな自動社会装置は、いのちを繋いでゆくこと、戦争をなくすことの前でたじろぐことなくすすんでゆくのだろうか。必要な時に装置の働きに待ったをかけることができるのだろうか。装置をバージョンアップして危機を乗り越えてゆく以外の道はないのだろうか。時代の深い転換のなかで問いあうことをはじめたい。
中村 俊(総合人間学会出版企画委員長)〈「はじめに」より〉

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〈短い紹介文の場合〉
「便利な社会」はデジタル技術によって自動的に運用され、この社会システム(装置)の設計者は誰なのかよくわからないものになっている。
この自動社会装置は、いのちを繋いでゆくこと、戦争をなくすことの前でたじろぐことなくすすんでゆくのだろうか。(「はじめに」より抜粋)

目次

はじめに (中村 俊)
人新世としてのCOVID―19 Crisisと〝AI” 化する社会 (濱松若葉・柴田邦臣)
我々は人新世をいかに生きるべきか (大蔵 茂)
人新世とAIの時代における脱成長 (中野佳裕)
知の変容と人間の主体性の回復――教育に引きつけて (佐貫 浩)
気候危機時代の環境教育 (秦 範子)
AI、デジタル化社会における生殖補助医療技術の発展と倫理的問題 (近藤弘美)
平和教育と脱成長の課題 (戸田 清)
「ポストヒューマン時代」における人間存在の諸問題 (上柿崇英)
おわりに~編集を終えて (中村 俊)

著者略歴

編著:総合人間学会
総合人間学会=2002年結成の「総合人間学研究会」を受けて、2006年に設立された。学際的研究によって人間の総合的研究を進め、その成果の普及をはかることを目的とする。
〈執筆順〉濱松若葉・柴田邦臣・大倉茂・中野佳裕・佐貫浩・秦範子・近藤弘美・戸田清・上柿崇英

ISBN:9784780722123
出版社:本の泉社
判型:A5
ページ数:192ページ
定価:1455円(本体)
発行年月日:2022年06月
発売日:2022年06月22日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:UD