”本の泉社”転換期から学ぶ歴史書シリーズ
日清戦争論
日本近代を考える足場
著:原田 敬一
紙版
内容紹介
歴史は司馬遼太郎では語れない
近代日本が踏み込んだ
日清戦争(1894年)からの50年戦争。
知ることが認識になる
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〈日清戦争〉は単なる〈戦争の記憶〉の一つである。しかしそれ以上でもある。近代日本が最初に取り組んだ対外戦争だから。首相伊藤博文や外相陸奥宗光は何を考えて、戦争に踏み切ったのか。日本の軍隊は外国でどのように戦ったのか。本書はそこには焦点をあてず、長いスパンで日本の戦争を捉え直す第Ⅰ部、日清戦争を受けとめた国民を考察した第Ⅱ部、日清戦後の日本を述べた第Ⅲ部の構成とした。その意味では本書はいわゆる〈司馬史観〉への反論である。(「プロローグ」より抜粋)
目次
プロローグ
Ⅰ 日本の戦争とは何だったのか
第1章 日本国民にとっての日清戦争
第2章 「明治一五〇年」と日本の戦争
第3章 「明治」期の三つの戦争は何をもたらしたか
第4章 『坂の上の雲』と日本近現代史
Ⅱ 戦争に向きあう日本社会
第5章 国権派の日清戦争─『九州日日新聞』を中心に─
第6章 日本国民の参戦熱
第7章 戦争を伝えた人びと─日清戦争と錦絵をめぐって─
第8章 軍隊と日清戦争の風景─文学と歴史学の接点─
第9章 戦争を受けいれる社会はどのように創られたのか
第10章 軍夫の日清戦争
Ⅲ 日清戦後の日本社会
第11章 「嘗胆臥薪」論と日清戦後社会
第12章 武士道はなぜ生き残ったのか─日本における近代軍隊の成立をめぐって─
第13章 東アジアの近代と韓国併合
エピローグ─〈明治一五〇年〉と日本の敗戦─
あとがき