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ベトナム戦争 枯葉剤の謎

著:原田 和明

紙版

内容紹介

ベトナム戦争の日本製「枯葉剤」が日本全国の国有林46ヶ所に不法投棄されていた!ずさんな埋没処理、豪雨災害などにより、漏れ出すリスクが現実化しており、不法投棄周辺の水源環境への影響から周辺住民の健康被害が懸念されている。マスコミによる報道も多数されており、その危険性に警鐘を鳴らす。
なぜ日本が、ベトナム枯葉作戦に協力・加担したのか。占領下の沖縄に持ち込まれた毒ガス“サリン”。国際化学兵器ネットワークに組み込まれていた日本の化学産業。沖縄返還交渉の最中に発覚した衝撃的な事件を糸口に、日米軍事同盟が隠した“化学兵器”の正体を暴く。
米国に依存する安全保障の負の遺産を日本政府は、どう解決していくのか。

目次

第0章 誰も知らない日本版枯葉剤
・「枯葉剤」という化学兵器
・ダイオキシン汚染大国 日本
・枯葉剤国産化疑惑
・今そこにある、日本の危機
・本書の構成
・前半は枯葉作戦を支えた「副産物(産業廃棄物)処理」
・後半はダイオキシンが枯葉剤にもたらした変化

第1部 枯葉剤と副産物
第1章 枯葉剤国産化疑惑
・告発
・輸出先で245Tに
・ベトナム枯葉作戦とは
・枯葉剤は化学兵器
第2章 枯葉剤国際供給ネットワーク
・ニュージーランドの化学企業元幹部の告発
・オーストラリアは、ニュージーランドと並ぶ最終加工工場
第3章 日本版枯葉作戦
・林野庁からの委託研究
・塩素酸ソーダの洗礼
・日本でも枯葉剤投下
・天然記念物「北限のサル」へ
・札幌市民にも枯葉作戦
・隠ぺいされていたウズラの親鳥実験
第4章 水田除草剤PCPの正体
・東南アジア向けの最も悪質な薬品
・農林省のサポート
・PCPではなかった「除草剤PCP」
・厚生省調査団が見つけたPCPの正体
・社史が語る枯葉剤製造の歴史
第5章 国産殺虫剤BHCの秘密
・国産BHCは効果少なく害多し
・残留農薬問題
・農林省BHC遺棄事件
第2部 ダイオキシンの発見
第6章 目的不明の人体実験
・目的は医者も知らず
・見て見ぬふりの労働省
・目的は何か?
・ダイオキシンは語る
第7章 化学兵器・ダイオキシン
・245T工場で大事故続発
・ダイオキシンを減らせ
・ナパーム弾と併用
第3部 枯葉剤の応用と終焉
第8章 ナパーム弾も日本製
・ナパーム弾でもひともうけ
・防衛庁長官・中曽根康弘氏の脂汗
・戦場で突き付けられた日本製ナパーム弾
第9章 カネミ油症事件
・世界最大の食品公害
・原因物質の特定
・「ピンホール説」の登場
・食品衛生法を適用せず
・見捨てられた被害者
・ダイオキシンの研究禁止
・農林省の隠ぺい工作
・事件後倍増したPCB生産量
・離島でPCB次世代実験か
・枯葉剤工場で第二の油症
第10章 新・枯葉剤
・使えなくなった245T
・沖縄PCP払い下げ事件
・台湾 東洋一のPCP工場
・台湾油症事件
・残された枯葉剤の行方
・245T系除草剤の埋設箇所と埋設量
・245T系除草剤の埋設箇所全国図
・本書関連年表
あとがき

著者略歴

著:原田 和明
1959年大分県生まれ。1984年九州大学修士卒了。公害が続出する九州で育ち、環境問題に関心を持つ。化学会社在籍中に、生産側からの視点で公害を見つめなおす機会を得た。現在大学職員。

ISBN:9784780100952
出版社:飛鳥出版
判型:4-6
ページ数:240ページ
価格:2000円(本体)
発行年月日:2024年05月
発売日:2024年05月02日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:TTM