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異文化間ソーシャルスキル研究の最前線

国際化時代に求められる対人関係技能とは

編:田中 共子

紙版

内容紹介

留学生、在日外国人、在外日本人など、異文化に滞在する者が対人関係で何に困り、何を必要とし求めているかを、ホスト・ゲストの両面から詳細に調査。その心理的機能を明らかにし、今後の教育・研修などに生かすことをめざす。

 ●著者紹介

 編者

田中 共子(たなか ともこ)

岡山大学社会文化科学学域 教授

専門分野は異文化間心理学、健康心理学、社会心理学。

主要著書に『留学生のソーシャルネットワークとソーシャルスキル』(2000年、ナカニシヤ出版)、『異文化間教育学大系・第一巻・異文化間に学ぶ「ひと」の教育』(共著、2016年、明石書店)、「異文化接触の心理学─AUC-GS学習モデルで学ぶ文化の交差と共存』(2022年、ナカニシヤ出版)など。

 

 

執筆者紹介

 

奥西 有理(おくにし ゆり)
岡山理科大学教育学部 教授

 

中野 祥子(なかの さちこ)
山口大学教育学生支援機構留学生センター 講師

 

畠中 香織(はたなか かおり)
梅花女子大学看護保健学部 准教授 



迫 こゆり(さこ こゆり)
岡山大学 客員研究員、東海学院大学心理学部 非常勤講師、愛知県 カウンセラー

 

Sozen Ayşe Ilgın(ソゼン アイシェ ウルグン)

元・橋本財団ソシエタス研究所 研究員

 

Simic-Yamashita Mira(シミッチ ヤマシタ ミラ)

岡山大学社会文化科学研究科/文学部・兵庫県立大学工学部/環境人間学部 非常勤講師 

 

李 正姫(イ ジョンヒ)

神奈川歯科大学歯学部 准教授

目次

第1章 異文化間ソーシャルスキルとは
0.とびらのことば
1.異文化間ソーシャルスキルという発想
(1)異文化滞在者の困惑
(2)異文化圏における対人関係形成
(3)異文化適応支援とソーシャルスキル
2.異文化間ソーシャルスキル学習による異文化適応支援
 (1)異文化間ソーシャルスキル学習の心理教育的セッション
 (2)準拠モデルとしての教育モデル
3.異文化適応支援のためのソーシャルスキルアプローチ
 (1)異文化適応とソーシャルスキルに関する探究
 (2)視点と方法における学際性

第2章 在日外国人を対象とした異文化間ソーシャルスキル研究
0.とびらのことば
1.在日外国人留学生を対象としたソーシャルスキルの抽出と機能に関する基礎的研究
 (1)ソーシャルスキルの抽出
 (2)ソーシャルスキルのパフォーマンス
 (3)スキル?サポート適応促進仮説の検証
2.在日外国人留学生を対象としたソーシャルスキル学習の実践的研究
 (1)小集団を対象とした心理教育的セッション
 (2)AUC-GS学習モデルによる異文化間教育への位置づけ
 (3)個人を対象とした実験的セッション
3.在日ムスリム留学生のソーシャルスキルの探索
 (1)在日ムスリム留学生の対人行動上の困難
 (2)在日ムスリム留学生の対人行動上の困難への対処
4.在日外国人ケアワーカーのソーシャルスキルの機能
 (1)在日外国人ケアワーカーのソーシャルスキルと異文化適応
 (2) 日本人ケアワーカーとの協働文化によるソーシャルスキルへの示唆

第3章 日本人ホストを対象とした異文化間ソーシャルスキル研究
0.とびらのことば
1.日本人ホストにおけるソーシャルスキルの抽出
 (1)日本人学生のソーシャルスキル
 (2)日本人ホストファミリーのソーシャルスキル
2.日本人ホストのためのソーシャルスキルの教育実践
 (1)日本人学生を対象とした研修型セッション
 (2)日本人チューターを対象とした対話型ミニセッション
 (3) 在日ムスリムと交流する日本人ホストのソーシャルスキル学習

第4章 在外日本人を対象とした異文化間ソーシャルスキル研究
0.とびらのことば
1.在米日本人留学生のソーシャルスキル
2.在ブラジル日本人のソーシャルスキル
3.在仏日本人留学生のソーシャルスキル
4.在台湾日本人留学生のソーシャルスキル
5.在インドネシア日本人のソーシャルスキル

第5章 相互交流からみた異文化間ソーシャルスキル研究
0.とびらのことば
1.トルコと日本をつなぐソーシャルスキル
 (1)在トルコ日本人のソーシャルスキル
 (2)在日トルコ人のソーシャルスキル
2.セルビアと日本をつなぐソーシャルスキル
 (1)在日セルビア人による日本人の友人形成のソーシャルスキル
 (2) 在セルビア日本人によるセルビア人の友人形成のソーシャルスキル

第6章 異文化間ソーシャルスキルへの示唆的研究
0.とびらのことば
1.日本人学生と留学生の対人関係形成とソーシャルスキル
 (1)対人関係形成の困難の原因認知とソーシャルスキル
 (2)日本人学生による留学生のソーシャルスキルへの期待
 (3)日本人学生と留学生の友人関係形成とソーシャルスキル
 (4)日本人学生と留学生のペアによるソーシャルスキル認知
2.逆カルチャーショックとソーシャルスキル
 (1)日本人帰国生の逆カルチャーショック
 (2)中国人帰国生の逆カルチャーショック
3.在日コリアンにおけるスキルスイッチング
4.中国人ホストと日本人留学生の対人関係

第7章 異文化間ソーシャルスキル研究のさらなる展開に向けて
0.とびらのことば
1.本書で扱ってきた対象
 (1)地域と対象者
 (2)日本をフィールドとしたゲスト研究
 (3)海外をフィールドとしたゲスト研究
 (4)日本をフィールドとしたホスト研究
 (5)海外をフィールドとしたホスト研究
2.本書で明らかになったこと
 (1)異文化間ソーシャルスキルと異文化適応
 (2)異文化間ソーシャルスキルの学習
3.今後の課題

著者略歴

編:田中 共子
筑波大学第二学群生物学類で理学士,同大学院環境科学研究科で学術修士を取得。広島大学大学院後期課程生物圏科学研究科,University of Washington, Department of Psychology, Graduate Schoolに学び,早稲田大学人間科学部にて博士(人間科学)。専攻は異文化間心理学,健康心理学,社会心理学。現職は岡山大学学術研究院社会文化科学学域教授。主要著書に「留学生のソーシャルネットワークとソーシャルスキル」(単著,2000年,ナカニシヤ出版),「異文化間教育学大系・第一巻・異文化間に学ぶ「ひと」の教育」(共著,2016年,明石書店),「健康心理学事典」(共編著,2019年,丸善出版)など。受賞に日本健康心理学会本明記念賞(共同,1999年),日本社会心理学会島田賞(単独,2000年),第9回留学生教育学会優秀論文賞(共同,2018年)など。
主著に、『臨床社会心理学―その実践的展開をめぐって―』(共編著、2003年、ナカニシヤ出版),「異文化接触の心理学─AUC-GS学習モデルで学ぶ文化の交差と共存』(2022年、ナカニシヤ出版)など。

ISBN:9784779517938
出版社:ナカニシヤ出版
判型:A5
ページ数:216ページ
定価:5400円(本体)
発行年月日:2024年03月
発売日:2024年03月27日