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何のためのテスト?

評価で変わる学校と学び

著:ケネス・J・ガーゲン
著:シェルト・R・ギル
他訳:東村 知子

紙版

内容紹介

そのテスト、本当に必要ですか?

テストのための学びから、
ウェルビーイングのための評価へ――

豊かな学びをもたらす、テストによらない評価は可能か?
社会構成主義の大家ガーゲンが教育学者ギルとタッグを組み、私たちを教育の思い込みから解放する。


●著者紹介
原著者
ケネス・J・ガーゲン(Kenneth J. Gergen)
1957年イェール大学心理学部を卒業、1962年デューク大学心理学部で博士号を取得。ハーバード大学助教授を経て、1967年よりペンシルバニア州スワースモア大学心理学部の助教授、1971年より同教授。現在、同大学Senior Research Professor。社会構成主義の第一人者として数多くの著作を発表。多くの研究者や実践家と対話を重ね、社会構成主義の理論と実践を結集して社会に変化をもたらすために活動を続けている。邦訳に、『関係からはじまる』『あなたへの社会構成主義』『社会構成主義の理論と実践』『もう一つの社会心理学』(以上、ナカニシヤ出版)、『現実はいつも対話から生まれる』『ダイアローグ・マネジメント』(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン)、他。

シェルト・R・ギル(Scherto R. Gill)
ウェールズ大学トリニティ・セント・デイビッド校グローバル・ヒューマニティ・フォー・ピース・インスティテュートディレクター。ゲランド・ヘルメス財団のシニアフェロー、英国王立芸術協会(FRSA)のライフフェロー。平和構築、倫理、全人的なウェルビーイング、人間中心教育といった独自の視点から教育の問題について論じる。近著に『Ethical Education: Towards An Ecology of Human Development』(Cambridge University Press)他。本書はギルの著書としては初めての翻訳。

目次

日本語版への序文

第1章 テストの暴力的支配を超える
工場のメタファーと評価による統治
関係を手がかりとして教育評価を考える─根底からの変革
テストと成績評価を点検する

第2章 教育は関係のプロセスである
工場生産から共創へ
関係の可能性と限界─私たちはどのように進んでいけばよいのか
関係論からみた教育の目的
従来の評価がもたらす関係の悪化
関係に基づく評価の挑戦

第3章 関係に基づく評価に向けて
関係を鍵とする教育評価
関係に基づく評価の目的
関係に基づく評価の実践の場
学びのプロセスにおける評価(プロセス評価)
定期的な省察による評価(リフレクティブ評価)
教室からコミュニティ、そしてその先へ

第4章 関係に基づく評価─初等教育
関係に基づく評価と子どもの育ち
学びのプロセスを向上させる評価
学びへの継続的な取り組み
関係の質を豊かにする
学び合いに向けての解放

第5章 関係に基づく評価─中等教育
思春期の重圧
関係に基づく評価の実際
教育のウェルビーイングに向けて

第6章 授業評価への関係論的アプローチ
問われる教員評価
評価と包括的な専門性発達
関係に基づく授業評価実践
教員評価から専門的な学びへ

第7章 学校評価への関係論的アプローチ
学校の説明責任の危うさ
抵抗から再構築へ
関係論に基づく学校評価の代替案
包括的な枠組みに向けて
生成的なプロセスとしての評価

第8章 関係に基づく評価と教育変革
教育の柱を揺るがすもの
学びのコミュニティとしての学校へ
現実を見よ!─関係に基づく評価への疑問
文化的緊張と教育変革
吹き荒れるテクノロジーの嵐─混乱とその帰結
秩序と混沌を乗り越えるための共創

第9章 教育システム全体の変革に向けて
教室における関係に基づく実践
学校全体の関係
地域社会との関係
高等教育との関わり
教育の新たな物語に向けて

訳者あとがき
索 引

著者略歴

著:ケネス・J・ガーゲン
1957年イェール大学心理学部を卒業、1962年デューク大学心理学部で博士号を取得。ハーバード大学助教授を経て、1967年よりペンシルバニア州スワースモア大学心理学部の助教授、1971年より同教授。現在、同大学Senior Research Professor。社会構成主義の第一人者として数多くの著作を発表。多くの研究者や実践家と対話を重ね、社会構成主義の理論と実践を結集して社会に変化をもたらすために活動を続けている。邦訳に、『関係からはじまる』『あなたへの社会構成主義』『社会構成主義の理論と実践』『もう一つの社会心理学』(以上、ナカニシヤ出版)、『現実はいつも対話から生まれる』『ダイアローグ・マネジメント』(以上、Discover21)、他。
著:シェルト・R・ギル
ウェールズ大学トリニティ・セント・デイビッド校グローバル・ヒューマニティ・フォー・ピース・インスティテュートディレクター。ゲランド・ヘルメス財団のシニアフェロー、英国王立芸術協会(FRSA)のライフフェロー。平和構築、倫理、全人的なウェルビーイング、人間中心教育といった独自の視点から教育の問題について論じる。近著に『Ethical Education: Towards An Ecology of Human Development』(Cambridge University Press)、『Rediscovering the Core of Western Culture: Lest We Lose Love』 (近刊、 Anthem Press)他。本書はギルの著書としては初めての翻訳。
他訳:東村 知子
京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了
博士(人間・環境学)
現在,京都教育大学教育学部准教授
主要著作:
『発達支援の場としての学校』(共編,ミネルヴァ書房,2016)
『音楽アイデンティティ』(共訳,北大路書房,2011)
K. J. ガーゲン『あなたへの社会構成主義』(翻訳,ナカニシヤ出版,2004)

ISBN:9784779517044
出版社:ナカニシヤ出版
判型:A5
ページ数:232ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2023年03月
発売日:2023年02月20日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JNA