まえがき
第Ⅰ部
第1章 社会の価値観の反映としての教科書
1.はじめに
本書の目的と概要
教科書の内容分析が発達心理学研究に与える意味
2.教科書の特性
初等教育における教科書の位置づけ
国語科教科書の特徴
3.研究対象としての教科書
教育素材としての教科書研究
価値観に焦点をあてた教科書研究
4.「家族(Family)」の変遷
家族の定義と範囲
文化・時代によって変化する「家族」
第2章 欧州4か国の教科書制度と分析手続き
1.教科書制度
日本と比較した欧州4か国の教科書制度の特徴
イギリスにおける教科書制度
ドイツにおける教科書制度
フランスにおける教科書制度
イタリアにおける教科書制度
2.東アジアの教科書と比較した欧州の教科書の特徴
3.分析に用いた教科書
4.分析手続き
第Ⅱ部
第3章 家族の解体と再構築
1.親の離婚
「離婚」表記の違い
ドイツの教科書に描かれた親の離婚
ドイツの教科書に描かれた別居後の親との交流
2.親の再婚
ドイツの教科書に描かれた親の再婚
ドイツの教科書に描かれた「家族」とは何かを考える子ども
フランスやイタリアの教科書に描かれた親の再婚
3.多様な家族
家族構成の多様性と範囲
養子の受け入れ
代父母の存在
4.家族成員の増加への捉え方
きょうだいを競争相手として捉えるドイツ
きょうだいへの葛藤と養護性を描くフランス
きょうだいを肯定的に捉えるイタリア
5.まとめ
第4章 国際化する家族
1.欧州の難民や移民家族の現状
2.典型的な白人家族が中心に描かれるイギリス
3.現実を客観視しながら移民2世の心情を描くドイツ
ドイツにおける外国人労働者の増加
世界の子どもたちの紹介
身近にいる難民や移民の子どもの存在と受け入れ
移民2世のアイデンティティ
4.フランス中心主義と相対化とのせめぎ合い
外国につながる子どもの描写の特徴
アフリカにつながる子ども
自文化中心主義からの脱却
5.異文化との融合を目指すイタリアの現実と理想
イタリアの移民の歴史
教科書に反映された異文化
多様性に対する受け入れ側の態度
受け入れの具体的な方法の提示
外国につながる子どもの受け入れを支える理念
特別な存在としての外国につながる子ども
6.まとめ
第5章 家族内の性別役割分業
1.親の子育て行動に描かれた性別役割分業
親の子育て行動の種類
父親と母親の子育て行動の割合
子育て行動の種類における4か国間比較
2.イギリスにおける「実際的な世話」
父親と母親との比較
父親の「実際的な世話」の作品例
母親の「実際的な世話」の作品例
3.ドイツにおける「実際的な世話」
父親と母親との比較
父親の「実際的な世話」の作品例
母親の「実際的な世話」の作品例
4.フランスにおける「実際的な世話」
父親と母親との比較
父親の「実際的な世話」の作品例
母親の「実際的な世話」の作品例
5.イタリアにおける「実際的な世話」
父親と母親との比較
父親の「実際的な世話」の作品例
母親の「実際的な世話」の作品例
6.外で働く母親と家事をする父親
ファンタジーの世界で新しい価値観を提示するフランス
大きく変化したドイツの性別役割分業
家族内の性別役割分業を変化させた要因
7.息子と娘が受ける子育て
8.息子と娘に反映された性別役割分業
家事をする男児
男児と女児の遊びやスポーツにおける変化
9.まとめ
第Ⅲ部
第6章 イギリス
1.イギリスにおける理想の父親像
親しみやすく家族を気遣う父親
毅然とした態度をとる父親
2.付き従う女児から主導権をもつ女児へ
男児に付き従う女児
男児を先導する女児
第7章 ドイツ
1.障害をもつ子どもと家族内での位置づけ
障害に対する描き方の変化
自立を期待する親子
家族への貢献
親の価値観を変える障害児の存在
2.社会体制の違いと子どもに期待される職業
東西ドイツの歴史的背景
西ドイツの子どもに期待された職業における性別役割分業
東ドイツの子どもに期待された協働
東西ドイツの子どもに期待された職種の違い
東西ドイツの女児に期待された職業
第8章 フランス
1.早く大人になることを期待される子ども
幼少期から異性を意識する子ども
早く大人になりたがる子ども
2.元気な高齢者
元気でおちゃめな祖父
再婚する元気な祖母
第9章 イタリア
1.親子関係の変化
厳格な父親から子どもに甘い父親へ
弱者を守る母親から,子どものわがままに寄り添う母親へ
自分の立場を主張する子ども
家族の多様な側面を考える子ども
2.女児に存在する二面性
女の子らしさの強調
戦い主張する女児
男児と同じ権利を求める女児
第10章 結 論