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触覚

E. H. Weber on the Tactile Senses [2nd Edition]

著:エルンスト・ハインリヒ・ウェバー
訳:田﨑 權一

紙版

内容紹介

ウェーバー・フェヒナーの法則に結実する広範な考察。

重量感覚、痛覚、温度感覚などについて精神物理学的実験により追究した古典、待望の翻訳。
いずれも触2点閾の実験をはじめとする、感覚に迫る興味深い広範な論考。

ラテン語原典De Tactu(触覚)とドイツ語原典Der Tastsinn und das Gemeingefuhl(触覚と一般感覚)の英訳からの翻訳。


●著者紹介

エルンスト・ハインリヒ・ウェバー(Ernst Heinrich Weber)

1795年6月24日 - 1878年1月26日、ドイツの生理学者、解剖学者。重量や温度などの感覚を実験的に研究し、刺激強度と感覚の増分の関係を発見した。これは後に弟子のグスタフ・フェヒナーによって定式化され、ウェーバー・フェヒナーの法則と名付けられた。
物理学者のヴィルヘルム・ウェバー、生理学者のエドゥアルト・ウェバーらは弟。

 

●訳者紹介

田﨑 權一(たさき けんいち)

1952年 宮崎県高千穂町生まれ
1980年 広島大学大学院教育学研究科実験心理学専攻博士課程後期単位取得 満期退学
1980年 山口短期大学児童教育学科 講師・助教授・教授
2002年 宇部フロンティア大学人間社会学部福祉心理学科(大学院人間科学研究科)教授
2003年 博士(心理学)(広島大学)
2017年 熊本県立大学文学部英語英米文学科(大学院文学研究科)教授 定年退職
2020年 九州共立大学スポーツ学部スポーツ学科(大学院スポーツ学研究科)特任教授 退職

【専門領域】実験心理学,認知心理学,教育心理学(メタ認知質問紙法MCQ-30)
【主要論文・著書】
触覚の心理学―認知と感情の世界(2017年,ナカニシヤ出版,単著)
認知・学習心理学(2012 年,ミネルヴァ書房「心理学研究の新世紀Ⅰ」,「第2章 文字の能動的触運動知覚」担当,共著)
心理学基礎実習マニュアル(2009年,北大路書房「Ⅰ 実験法皮膚感覚・2点閾―精神物理学的測定法2」担当,共著)
文字の能動的触運動的認知に及ぼす文字セットの大きさの効果(1998 年,基礎心理学研究,単著)
文字の能動的触認知に及ぼす刺激の大きさの効果(1992 年,心理学研究,単著)
メタ認知質問紙法短縮版MCQ-30(Wells & Cartwright-Hatton, 2004)の手引(2017 年,熊本県立大学文学部紀要,単著)
新教育心理学図説(1986年, 福村出版「2章 被教育者の問題 1節 子どもの成長と発達」担当,共著)

目次

初版に向けての序文
第2版に向けての序文
謝 辞

序 論
E. H. Weberの生涯
第1部 触覚“De Tactu”と第2部 触覚と一般感覚“Der Tastsinn und das Gemeingefuhl”の内容
 英訳と脚注について
 引用文献
 E. H. Weber の主な研究業績
 Weber の本文での度量衡

第1部 触覚
第1部 触覚“De Tactu” に関するE. H. Weber 自身による索引
身体部位ごとの2点閾
皮膚2点閾測定用の棹コンパスと調整可能コンパスのイラスト
いろいろな身体部位での2点閾の表
各身体部位の触的鋭敏さの順位の表
触的鋭敏さに影響する諸要因
四肢の触覚
頭部の触覚
胴部の触感覚
いろいろ異なる身体部位で触感覚が変動する原因
触器官の運動と対象の運動による触的鋭敏さの改善
重量弁別に対する触的鋭敏さと筋肉の鋭敏さ
重量知覚における精度の左右差
この種の実験であらかじめ注意すべきこと
皮膚触感覚と筋肉感覚による重量推定
上掲の実験データに対する「Weber の分数」
同時的比較と継時的比較
線分の長さの比較
上掲内容についてのWeber の説明
熱さと冷たさの感覚
同時的印象の融合
重量,線分,音における弁別比較:触覚・眼・耳での印象の最小可知差異
「Weber の法則」に関する言明
疲労による弁別成績の低下
脚 注
 第1部 触覚Weber 自身による原著“De Tactu” 出版時の脚注
 第1部 触覚“De Tactu” における英訳者による脚注

第2部 触覚と一般感覚
感覚が外的対象と関連する時の条件
感じていること(feling)とその表象(representation)との区別
われわれが多くの感覚を外的対象にだけ関連づけが可能な理由
感覚と連合した印象を受容するための感覚神経の末梢終末の配列
感覚神経で生起する変化に関するさらなる所見
脳の特定領域における感覚神経の終末
特に触覚について
定位,圧,温度の感覚
触覚だけがわれわれに圧と温度の感覚を可能にする
触神経とその末梢的・中枢的終末の基本線維
Ⅰ.皮膚での定位
  頭部での定位感覚の鋭敏さ
  腕と足での定位感覚
  胴部の皮膚での定位感覚
  上掲のデータ表
  四肢の運動なしで,われわれに触れている対象の形の知覚
  意図的運動による四肢での対象の形と距離の知覚
Ⅱ.圧感覚
Ⅲ.温度感覚
2つの触器官に接触している時に2つという感覚が生じるのか?
重量知覚における左右差の原因
身体各部位での重量感覚の敏感さ
ヨアヒムスターラー銀貨のイラスト
身体各部位での重量感覚の敏感さの表
重量感覚器官と竿秤との比較
温度知覚
温度感覚の加重
両眼視での色の融合
温度知覚の左右差
上述の実験データの表
温度知覚の左右差の原因
温度への敏感さについての結論
「客観的」知覚と「主観的」知覚
火傷痛
火傷痛に関するデータの表
いろいろな感覚様相での同時的比較と継時的比較
異なる手あるいは異なる指での重量弁別に関する表
眼による同時的・継時的比較
過去の印象の再生
重量比較の際の時間間隔
重量,線分,音での弁別の比較

第1部 触覚における包括的教義:触覚の実験における主な発見内容
2点弁別と知覚された間隔距離
縦・横の方向による鋭敏さの差についての説明
上述内容についてのWeber の説明
各身体部位での触的鋭敏さ
髪の毛が引っ張られている方向への敏感さ
重量知覚における皮膚感覚と筋肉感覚の寄与度
重量知覚の敏感さと触的鋭敏さとの関係
重量感覚と接触底面の面積
重量弁別比
温度弁別と,触的鋭敏さや重量弁別との関係
温度弁別に影響する諸要因
触覚での重量,視覚での線分,聴覚での音高で知覚可能な最小差異
触覚と他の感覚との関係
一般感覚(Common sensibility-coenaesthesis)
一般感覚の強度の変動
皮膚と他の感覚器官内での一般感覚:熱と冷たさによる痛覚
熱が原因で生じる痛覚の表
冷たさが原因で生じる痛覚の表
圧と伸張が原因で生じる皮膚内の痛覚
電気による痛覚
皮膚での戦慄とくすぐったさ
血管運動,血液からの体液分泌物そして栄養摂取過程から生じる皮膚内での一般感覚
筋肉の一般感覚
神経系の一部における一般感覚による特殊感覚
粘膜をもつ器官の一般感覚
神経と血管の分布が密でない領域での一般感覚
ヒトと動物,健常者と病気の被験者の一般感覚

第2部 触覚と一般感覚 脚注
Weber 自身による脚注
英訳者による脚注

索  引
 人名索引
 項目索引
訳者あとがき

著者略歴

著:エルンスト・ハインリヒ・ウェバー
Ernst Heinrich Weber
1795年6月24日 - 1878年1月26日、ドイツの生理学者、解剖学者。重量や温度などの感覚を実験的に研究し、刺激強度と感覚の増分の関係を発見した。これは後に弟子のグスタフ・フェヒナーによって定式化され、ウェバーの法則と名付けられた。
物理学者のヴィルヘルム・ウェバー、生理学者のエドゥアルト・ウェバーらは弟。
訳:田﨑 權一
  1952年1月 宮崎県 高千穂町 生まれ
  1980年3月 広島大学大学院教育学研究科実験心理学専攻 博士課程後期単位取得満期退学
  2003年3月 博士(心理学)(広島大学)
  2013年4月 公立大学法人 熊本県立大学 文学部 教授
        同 大学院文学研究科 教授
  2017年3月 同 定年退職

≪主要論文・著書≫
  「文字の能動的触認知に及ぼす刺激文字の大きさの効果」 心理学研究(1992,単著)
  「文字の能動的触認知に及ぼす刺激セットの大きさの効果」基礎心理学研究(1997 年,単著)
  「メタ認知質問紙法MCQ-30(Wells & Cartwright-Hatton, 2004)の手引」熊本県立大学文学部紀要(2017 年,単著)
  「心理学基礎実習マニュアル」 北大路書房(2009,共著)
  「学習・認知心理学」 ミネルヴァ書房(2012,共著)
  「新教育心理学図説」 福村出版(1986,共著) ほか

ISBN:9784779516702
出版社:ナカニシヤ出版
判型:A5
ページ数:290ページ
定価:4000円(本体)
発行年月日:2023年06月
発売日:2023年06月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JMA