出版書誌データベース

リゾート、自然、聖地、ヘリテージ――
多様化する観光のあり方を20のキーワードから読み解く。


●著者紹介

神田孝治
　立命館大学文学部　教授
　文化地理学・観光地理学・観光学

森本　泉
　明治学院大学国際学部　教授
　ネパール地域研究・文化地理学

山本理佳
　立命館大学文学部　准教授
　文化地理学・文化遺産研究

序　『現代観光地理学への誘い』とは
　　　　　「観光地を読み解く視座と実践」の理解へ向けて

第Ⅰ部　観光地化された空間を読み解く

　１　リゾート
　　　　　余暇空間の特徴について考える
　　　【コラム】絵はがきからみた温泉地の変化

　２　自然
　　　　　観光と創られる風景
　　　【コラム】現代の国立公園・自然公園

　３　聖地
　　　　　聖と俗の関係から読み解く
　　　【コラム】アニメの聖地化と地域
　４　ヘリテージ
　　　　　イデオロギーとオーセンティシティをめぐる現代的諸相
　　　【コラム】軍事景観の遺産化

　５　都市
　　　　　都市景観の特性を活かした地誌学的まち歩き観光のススメ
　　　【コラム】メガ・イベントと都市

第Ⅱ部　観光地を人から読み解く

　６　ツーリスト
　　　　　地域がツーリストに与える経験と、その経験が地域に及ぼす効果
　　　【コラム】観光客と旅行案内書

　７　ホスピタリティ
　　　　　観光客の歓待をめぐる多様なあり方
　　　【コラム】演じられるホスピタリティ

　８　エスニシティ
　　　　　エスニック・ツーリズムの現状と課題
　　　【コラム】観光と展示される少数民族

　９　ジェンダー
　　　　　観光と性差の関係性
　　　【コラム】観光地と同性愛

　10　ジェネレーション
　　　　　メディア、世代市場、親子関係
　　　【コラム】若者とナイトライフツーリズム

第Ⅲ部　観光地の新しい潮流を読み解く

　11　エシックス
　　　　　倫理的で持続可能な観光実践の重要性と限界
　　　【コラム】SDGs と観光

　12　ダークツーリズム
　　　　　死と結びついた観光地の創造と変容
　　　【コラム】ダークな記憶装置

　13　アート
　　　　　ツールとしてのアート／アートとしての表象
　　　【コラム】ヘブンアーティスト事業とツーリズム

　14　デジタルメディア
　　　　　融解する境界と新たなる観光地
　　　【コラム】SNS と観光地への意味づけ

　15　オーバーツーリズム
　　　　　グローバルな移動を再考する
　　　【コラム】訪日観光客とテーマ化する温泉旅館

第Ⅳ部　隣接領域の視座から観光地を読み解く

　16　観光社会学
　　　　　社会的なものの相貌を映し出すディズニーリゾート
　　　【コラム】観光の再帰性

　17　観光人類学
　　　　　観光と文化をめぐる動態への多様なアプローチ
　　　【コラム】モラル・エコノミーとしての観光

　18　観光心理学
　　　　　観光地を訪れる人の心理と行動を考える
　　　【コラム】観光モチベーション・観光経験・観光地の開かれた関係

　19　観光歴史学
　　　　　帝国日本と空間を越える観光
　　　【コラム】台湾における「近代建築物」の活用と歴史認識

　20　観光計画学
　　　　　人の住む地域に対する観光開発とその矛盾
　　　【コラム】観光地づくりにおける「協働」

　あとがき　
　索引

編：神田　孝治
1974年愛知県生まれ。三重大学人文学部卒業、2004年大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。博士（文学）。
現在、和歌山大学観光学部教授。専門は文化地理学、観光学。

単　　著：
『観光空間の生産と地理的想像力』（ナカニシヤ出版，2012年）。

共　　著：
『文化地理学ガイダンス─あたりまえを読み解く三段活用─』（ナカニシヤ出版, 2006年）。

編　　著：
『観光の空間─視点とアプローチ─』（ナカニシヤ出版, 2009年）、『レジャーの空間─諸相とアプローチ─』（ナカニシヤ出版, 2009年）。

共 編 著：
『観光入門─観光の仕事・学習・研究をつなぐ─』（新曜社, 2011年）。

分担執筆：
『よくわかる観光社会学』（ミネルヴァ書房, 2011年）、『「観光のまなざし」の転回─越境する観光学─』（春風社, 2004年）、『ツーリズムの文化研究』（京都精華大学創造研究所, 2001年）。

編：森本　泉
明治学院大学国際学部　教授
ネパール地域研究・文化地理学

編：山本　理佳
立命館大学文学部　准教授
文化地理学・文化遺産研究