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災禍をめぐる「記憶」と「語り」

編:標葉 隆馬

紙版

内容紹介

「語られること」と「語られないこと」のあいだで、「語られるかも知れないこと」を紡ぎ出す

公的な記録からこぼれ落ちていく、災禍をめぐる経験や感情、思考。それらを社会にとどめ、記憶を継承していくにはどうすればいいのか。

目次

序章 「語られること」と「語られないこと」の間にある可能性

第1章 阪神・淡路大震災の「記憶」を伝える

第2章 3がつ11にちをわすれないために
      コミュニティ・アーカイブの取り組み

第3章 災禍のパブリック・ヒストリーの災禍
      東日本大震災・原子力災害伝承館の「語りの制限」事件から考える「共有された権限」

第4章 被害と加害のあいだ
      対話の可能性と記憶の共創

【コラム1】災禍をめぐる法の問題

第5章 私記・宮城での歴史資料保全活動二〇年
      古文書を通じた地域との交流、そこでの「3.11」から考えたこと

第6章 津波で失われた浜の古絵図から紡ぎ出された記憶

第7章 災禍と「日常の記録」
      宮城県気仙沼市旧小泉村での調査から

第8章 被災地で無形民俗文化財にカメラを向ける
      岩手県・映画『廻り神楽』の制作から

第9章 メディアは「災禍」をどう語ろうとするのか
      災害報道のこれまで

第10章 災禍の語りを枠づけ、神話化するメディア作用
      「放射能汚染地図」と「フクシマ50」の事例から

【コラム2】阪神・淡路大震災をめぐる報道

おわりに

著者略歴

編:標葉 隆馬
1982年生まれ。京都大学農学部応用生命科学科卒業、京都大学大学院生命科学研究科博士課程修了(生命文化学分野)。博士(生命科学)。総合研究大学院大学先導科学研究科「科学と社会」分野・助教、成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科・准教授などを経て、現在、大阪大学社会技術共創研究センター・准教授。専攻は、科学社会学・科学技術社会論・科学技術政策論。

ISBN:9784779515781
出版社:ナカニシヤ出版
判型:4-6
ページ数:448ページ
定価:3600円(本体)
発行年月日:2021年03月
発売日:2021年04月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JKS