はじめに(山本紀夫)
序章 熱帯高地とはどのようなところか―アンデスとヒマラヤを中心として( 山本紀夫)
一 熱帯高地とは
二 アンデスからヒマラヤへ
三 プーナとパラモ
四 人間にとっての熱帯高地
五 熱帯高地の生業
六 熱帯高地の環境維持
七 熱帯高地の今後
第1部 地域研究
第Ⅰ章 アンデス高地における牧民の生活―リャマ・アルパカ利用と日帰り放牧(鳥塚あゆち)
一 牧民共同体を探して
二 二つの牧民共同体
三 日帰り放牧と家畜管理
四 家畜利用方法の変化
五 アンデス牧民と家畜との関わり
六 おわりに―日常から見えること
第Ⅱ章 熱帯アンデス高地の環境利用―ペルー・アンデスを中心に(山本紀夫)
一 地球上で最長の大山脈、アンデス
二 熱帯アンデス
三 先スペイン期の環境利用の方法
四 現在の環境利用
五 環境利用の方法の変化―むすびにかえて
第Ⅲ章 メキシコ高地における古代文明の形成史(杉山三郎)
一 はじめに
二 ホモ・サピエンスの「脳力」と文明形成理論
三 文明の曙―高地の環境認知と文化の多様性
四 階級社会・都市の形成
五 おわりに
第Ⅳ章 日本の山々は何に使われてきたか―「温帯山地」における多様な環境開発(池谷和信)
一 はじめに―日本の山地利用と「山の民」
二 日本列島および東北地方における山地の資源利用
三 近世から近代までの一山村の資源利用の変遷
四 現代の日本の山村―山地資源利用の持続性【崩壊・変容期】
五 「熱帯高地」と「温帯高地」との資源利用の比較
第2部 地域間比較研究
第Ⅴ章 熱帯高地における野生動物の家畜化と利用―アンデスとヒマラヤの事例から(川本 芳)
一 はじめに
二 現代人進化の特徴
三 高地の野生生物と家畜
四 野生生物の家畜化
五 さいごに
第Ⅵ章 アンデスとヒマラヤ・チベットの牧畜―「移動」と「資源化」に着目して(稲村哲也)
一 はじめに
二 移動に着目したアンデスとヒマラヤ・チベットの牧畜類型
三 ヒマラヤ・チベット―遊牧、移牧、移牧定農、移牧移農の事例
四 中央アンデスのケチュア社会―定牧移農、定牧の事例
五 おわりに
第3部 「高地文明」論
第Ⅶ章 エチオピア高地文明の成立基盤―栽培植物と自然環境の観点から(重田眞義)
一 エチオピアの特殊性
二 高いアフリカ、涼しいエチオピア
三 文明の成立基盤としてのハードウエアとソフトウエア
四 文明のハードウエアとしての栽培植物
五 文明のソフトウエアとしての農耕技術と環境の認識
六 なぜエチオピアの文明は高地に成立したのか
第Ⅷ章 エチオピア高地のどこに文明が開化したのか?―盆地のもつ場所の力学(大山修一)
一 はじめに
二 エチオピアの古都―ゴンダール
三 高地盆地文明の中心地―クスコとテノチティトラン、そしてラサ
四 おわりに―盆地のもつ場所の力学
第Ⅸ章 アジアにおける「高地文明」の型と特質―ブータン、チベット、イランからの試論(月原敏博)
一 生態史的観点からの「高地」と「文明」の再検討
二 チベットとブータン、その両者に共通するものを探る
三 「素朴」と「文明」
四 イラン高原とチベット高原―その文明的特質と生態的条件
五 辺境の高地からの「文明」の問い直し
終章 「高地文明」の発見―もうひとつの四大文明(山本紀夫)
一 世界の四大高地
二 なぜ高地でも人は暮らすのか
三 高地適応型の暮らしの開発
四 旧大陸の高地と人びとの暮らし
五 もうひとつの例―エチオピア高地
六 高地は健康地
七 「高地文明」
八 ティティカカ湖畔にて
九 文明の条件
一〇 メソアメリカで生まれた高地文明
一一 チベットの高地文明
一二 エチオピア文明
一三 むすびにかえて
あとがき(山本紀夫)
人名索引
事項索引