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女たちの翼

アジア初期近代における女性のリテラシーと境界侵犯的活動

編:青木 恵理子

紙版

内容紹介

アジア各地で、新たな世界を切り開こうとした女性たちの活動を社会学、歴史学、文学、文化人類学など様々な専門分野から捉え直す。

目次

まえがき

序 論(青木恵理子)
 1 全体の趣旨
 2 各論文の趣旨

第1章 「 新しい女」平塚らいてうと西欧母性主義との出会い:「矯風会」をフィルターにした考察(今井小の実)
 1 はじめに
 2 「新しい女」たちによる「事件」と世間の批判
 3 矯風会と「青鞜社」
 4 矯風会の「新しい女」たちに対する反応
 5 らいてうの母性主義への接近と矯風会との和解
 6 結びにかえて

第2章 〈私〉を書くことがもたらした境界の揺らぎ:1930年代『東京朝日新聞』「女性相談」と山田わかの回答(桑原桃音)
 1 はじめに
 2 山田わかと『東京朝日新聞』「女性相談」
 3 身の上相談欄の境界侵犯性 
 4 「私」への呼応:名づけと定義づけ  
 5 おわりに:山田と読者の共闘・共犯関係

第3章  植民地朝鮮における妓生の社会的位置と自己変革:妓生雑誌『長恨』を中心に(井上和枝)
 1 はじめに 
 2 大韓帝国期~植民地期における妓生の社会的位置
 3 雑誌『長恨』の発行
 4 『長恨』における自己認識と仲間への呼びかけ
 5 妓生たちは社会とどう向き合ったか?
 6 おわりに

第4章 「新鮮な花」の誕生:タイ近代文学女性作家ドークマイソットの『彼女の敵』『百中の一』と時代背景(平松秀樹)
 1 はじめに
 2 近代女性作家誕生のコンテクスト  
 3 ドークマイソット作品のテクスト分析
 4 おわりに 

第5章  花開くダリア:植民地時代のインドネシアにおける華人女性小説家たち(エリザベス・チャンドラ/青木恵理子[訳])
 1 はじめに:華人女性は何を書いたか?
 2 女性作家の出現 
 3 女性たちが書いた物語 
 4 ダリア 
 5 結  論

第6章  カルティニの読書ネットワーク(富永泰代)
 1 はじめに 
 2 20世紀転換期ジャワの読書環境:運輸・通信の発達とヨーロッパで刊行された出版物の入手状況
 3 東西に架ける橋:ジャワを語るオランダ人作家 
 4 読書の翼を広げて:女性解放,平和主義,福祉活動への目覚め
 5 カルティニと読書ネットワーク 
 6 むすびにかえて

第7章  何が聖女を飛翔させたのか?:19世紀末から20 世紀初めのインドネシア・フローレス島における修道女たちの活動(青木恵理子)
 1 はじめに 
 2 フローレスにおけるカトリックと修道女の付置
 3 修道女はどのように活動したか? 
 4  フローレス発修道女会CIJ 創立と民族/人種およびジェンダー・セクシュアリティ
 5  オランダ領東インドにおける,民族/人種とジェンダー・セクシュアリティの変容
 6 近代と修道女 
 7 何が聖女を飛翔させたのか?
 8 おわりに 

あとがき  

著者略歴

編:青木 恵理子
龍谷大学社会学部教授
文化人類学専攻

ISBN:9784779512445
出版社:ナカニシヤ出版
判型:A5
ページ数:252ページ
定価:3600円(本体)
発行年月日:2018年03月
発売日:2018年03月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBS
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:JHBK