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追放と抵抗のポリティクス

戦後日本の境界と非正規移民

著:高谷 幸

紙版

内容紹介

非正規移民とは誰か。彼らを合法/不法に分割するものは何か。戦後日本の非正規移民をめぐる追放と抵抗のポリティクスを描き出す。

目次

序章 非正規移民の追放と抵抗

第一章 追放と抵抗のポリティクスからみる戦後日本の境界
     はじめに
     一 戦後日本の境界と非正規移民
     二 非正規移民と境界
     三 国家の境界が作用する文脈と論理
     おわりに

第二章 帝国と島国のはざまで
     はじめに
     一 占領期における出入国管理体制の整備と日本の「独立」
     二 主権を規制する道徳――「密航者」にたいする在留特別許可
     三 日韓関係と追放の権力――法令違反者にたいする在留特別許可
     おわりに

第三章 呼び覚まされる帝国の記憶と〈戦後日本〉
     はじめに
     一 日韓条約の締結と韓国からの「密航」
     二 ベトナム反戦運動と〈戦後日本〉の問い直し
     三 被爆者援護運動と〈戦後日本〉の境界
     四 入管体制と〈戦後日本〉の境界
     おわりに

第四章 グローバル化のなかの日本――追放と抵抗の連続と断絶
     はじめに
     一 「新しい」移住者の来日
     二 支援運動の連続と断絶
     三 線引きと追放の文脈
     四 治安対策としての「不法滞在者」政策
     おわりに

第五章 主権を無効化する空間
     はじめに
     一 「労働者」の権利の保障
     二 「労働者」のなかの線引き
     三 「労働者」としての抵抗
     四 線引きの拒否という戦略
     五 法としての入管法、主権としての入管法
     おわりに

第六章 「違法性」と正規化の矛盾
     はじめに
     一 定住化モデルと非正規滞在者
     二 日本人の子どもをもつ移住女性の状況
     三 社会との接点を握られて
     四 「脱出」のプロセスの一契機としての在留特別許可
     おわりに

第七章 「子ども」という価値
     はじめに
     一 非正規滞在家族の正規化と権利運動
     二 統合のメルクマールとしての教育
     三 ナショナルな文化と価値の習得
     四 「責任のない」子ども対大人の「責任」
     おわりに
     

終章 社会的・歴史的存在としての非正規移民と境界


参考文献

あとがき

索引〔人名/事項〕


ISBN:9784779511554
出版社:ナカニシヤ出版
判型:A5
ページ数:272ページ
定価:3500円(本体)
発行年月日:2017年02月
発売日:2017年02月28日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KC