はじめに
I. 中世のキリスト教文化
(1) 国教化と世俗権力者による教会保護 (2) 教会と社会はひとつ(祭政一致) (3) 権力者としての教皇・大司教
II. ドイツの誕生と神聖ローマ帝国
(1) フランク王国の分裂 (2) 異民族の襲来とキリスト教化 (3) 神聖ローマ帝国の誕生 (4) 修道院の世俗的役割 (5) 叙任権闘争
III. 流浪の民ロマ族とさまよえるユダヤ人
A. 国をもたないロマ族
(1) ロマ族はどこからやって来たのか (2) 階層制のないロマ族 (3) アルメニアのロマ族 (4) ルーマニアで奴隷となったロマ族 (5) ドイツにやって来たロマ族
B. さまよえるユダヤ人
(1) 故国喪失 (2) 反ユダヤ主義
IV. ドイツ領邦諸国の権力増大
(1) ドイツ王特権が諸侯の手に (2) ロマ族に与えられた贖罪の旅
V. 宗教改革と宗教戦争
A. 宗教改革
(1) 免罪符(贖宥状)の販売 (2) ルターの宗教改革
B. 宗教戦争
(1) 北イタリアをめぐる独仏の覇権争い (2) シュマルカンデン戦争 (3) ユグノー戦争 (4) 三十年戦争 (5) ヴェストファリア条約 (6)苛酷になるロマ族対策
VI. プロイセンとオーストリアの興隆
(1) プロイセンの興隆 (2) 復興したオーストリア (3) オーストリア継承戦争と七年戦争 (4) 啓蒙絶対君主のロマ族同化政策
VII. 花開くドイツ古典主義文化
(1) ゲーテ (2) カント (3) シラー (4) ハイドン (5) モーツァルト (6) ベートーヴェン
VIII. フランス革命とドイツへの影響
A. フランス革命
B. ナポレオン戦争
C. 七月革命・三月革命とドイツ帝国の誕生
(1) 復古主義のウィーン会議 (2) 1830 年の七月革命 (3) 1848年の三月革命 (4) ベルリオーズとワグナー
IX. プロイセンのドイツ統一とオーストリア=ハンガリー二重帝国
A. ドイツ帝国の誕生
(1) ビスマルクの登場 (2) ロマ族に国籍を
B. オーストリア=ハンガリー二重帝国
(1) 二重帝国の成立 (2) ドイツ帝国と二重帝国との関係 (3) 首都の発達
X. 第一次世界大戦の帰結としてのワイマール共和国
A. 第一次世界大戦
(1) 大戦の発端・サライェヴォ事件 (2) 戦線膠着 (3) 幻の「ドイツ・オーストリア共和国」
B. ワイマール共和国
(1) 屈辱のヴェルサイユ条約 (2) 大インフレーション (3)政情不安とロマ族対策 (4) ワイマール憲法の内部矛盾
XI. ナチス・ドイツ
A. ヒトラーの政治
(1) ヒトラー政権の誕生 (2) 全権委任法 (3) ヒトラーの経済再建 (4) 大衆の欲望を満たす政策 (5)同質化政策 (6) われわれは偉大な時代に住んでいる
B. ナチスによる異質の排除
(1) 異質なドイツ国民の排除 (2) ユダヤ人問題の「最終的解決」(3) 生きるに値しない命・ロマ族 (4) ナチ占領下の国・枢軸同盟国のロマ族迫害
XII. 戦後補償と 21 世紀のロマ族差別
A. 戦後補償にみるロマ族差別
B. 21 世紀も続くロマ族差別
(1) EU における反ジプシー主義 (2) なぜロマ族を迫害するのか a.生贄のヤギとしてのロマ族 b.ロマ族は敵側という誤解 c.社会的弱者 (3)役割が生む他者支配の心理 (4) 人間殺しを抑制するのは本能か文化か
XIII. 現代における異文化共存の問題
(1) コトバは神なりき a. 具体的コトバの暗示性 b.シンボル(象徴)を操作する人間 (2) 経済至上主義と異文化共存 (3) 科学技術の発展は異文化共存につながるか
XIV. 現代文明は地球と共存できるのか
(1) 地球温暖化 (2) 海洋のプラスチック・ゴミ (3) 核のゴミ (4) 科学技術信仰 (5) バベルの塔のメタファー(暗喩)
おわりに
参考文献