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「存在」という概念の解明ーー新しい存在論原理の展開

著:小林 誠

紙版

内容紹介

「存在」とは何か。「存在する」という言葉によって、我々は一体何を言おうとしているのか。この古代ギリシャ以来の哲学の根本問題、難攻不落の「永遠のアポリア」(超難問)に対して、独自の理論構成によって、明快な「解答」を提示する。真に独創的な体系的モノグラフィーである。

【出版社からのコメント】
『「存在」という概念の解明』は、古代ギリシャ以来二千数百年間未解決であり続けた哲学の根本問題、「『存在』という概念の解明」という問題を「本当に解決した」著書。
「永遠のアポリア」(超難問)、遂に解かれる。

目次

はしがき/本書の結論的見解

第一章 序  論 ―「存在」概念史の概観 ―
第一節 パルメニデス
第二節 アリストテレス
第三節 トマス・アクィナス
第四節 G・バークリ
第五節 I・カント
第六節 F・ブレンターノ
第七節 A・マイノング
第八節 B・ラッセル
第九節 M・ハイデガー
第一〇節 W・V・O・クワイン
第二章 「存在」概念の解明― 存在文・存在否定文のパラフレーズ ―
第三章 認識対象
一、認識対象について
二、批判とそれに対する私の回答
三、認識対象についての更なる補足意見
第四章 認識水準
第五章 「何が存在しないのか」について
第六章 存在しない対象の指示(あるいは、認識)と認識水準
一、存在しない対象の指示(あるいは、認識)と認識水準について
二、批判とそれに対する私の回答
第七章 「ユニコーンは存在しない」という文と「何もの〔いかなるx〕もユニコーンではない」という文について
一、私の見解
二、批判とそれに対する私の回答
第八章 一般名辞を主語とする存在否定文の理解についての分析
一、私の見解
二、批判とそれに対する私の回答
第九章 一般名辞を主語とする存在文の理解についての分析
第一〇章 単称名辞を主語とする存在否定文の理解についての分析
第一一章 単称名辞を主語とする存在文の理解についての分析
第一二章 論理的矛盾を内含する対象と「存在」概念
第一三章 「円い四角」に関する一考察
一、「円い四角」に関する私の見解
二、私の改訂したマイノングの特徴づけ原理
第一四章 「存在」の一義性
第一五章 「存在」の述語的性格
一、「存在」の述語的性格について
二、批判とそれに対する私の回答
第一六章 「存在」という概念の解明に関する補足説明
第一節 心的対象〔イメージ〕と物的対象に関する存在者としての優越性について
第二節 存在論と認識論の関係
第三節 存在しない対象
一、存在しない対象とは何か
二、カントの「存在」概念に関する考察についての検討
第四節 私の哲学上の立場についての若干の説明
第一七章 「存在」概念に関する未解決の三つの基本問題についての私の解答
第一節 内的存在と外的存在
第二節 想像上の存在と現実の存在
第三節 時間的存在
第一八章 本書における前章までの内容の要約
第一九章 結  び
一、本書の「存在」概念の解明においてポイントとなる点について
二、本書の「存在」概念の解明の内容を私が考えるようになった経緯について
三、「存在」概念についての私の立場と基本的発想
四、存在論におけるε-δ論法
五、結語

著者略歴

著:小林 誠
小林 誠(こばやし・まこと)
1958年 埼玉県に生まれる。
1982年 慶應義塾大学経済学部卒
現在  著述業 哲学研究者
日本哲学会、日本科学哲学会、日本法哲学会、会員(日本哲学会については、元日本哲学会会長の沢田允茂先生が拙著「価値判断の構造」について、「博士の学位論文に十分になり得る。」と言ってくださり、同学会に入会したものである。)
専攻  哲学(哲学的価値論、存在論、意味論)
著書  『価値判断の構造』(恒星社厚生、1998年)
(価値についての理論的問題の双璧とも言える、「善い」という概念の解明と価値言明の真理性の問題を主たるテーマとし、基本的に自然主義の立場に立つ自分の見解を提示した、メタ倫理学に関する体系的モノグラフィー)
この『価値判断の構造』は、人事院の作成する平成30年の国家公務員試験〔大卒・総合職〕(旧国家公務員上級試験)の試験問題に採用された。

ISBN:9784779306631
出版社:北樹出版
判型:A5
ページ数:474ページ
定価:6300円(本体)
発行年月日:2021年11月
発売日:2021年11月01日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDTJ