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金正恩の「決断」を読み解く

変わる北朝鮮と東アジアへの衝撃

著:鄭 旭湜
訳:福田 恵介

紙版

内容紹介

北朝鮮の政治状況から目が離せない。その一方で、表面的にニュースを見ていても、不可解な点が多くある。2019年の歴史的な南北首脳会談と米朝首脳会談の際、朝鮮戦争の終戦宣言、制裁緩和、そして韓米合同軍事訓練の中断、北朝鮮の非核化等々の政治的前進が実現するかもしれない期待が高まり、ひいては日朝国交樹立となるかもという期待まで出ていた。これらすべてが破綻して以降、いまの北朝鮮について、本書の著者は「これまで体験したことのない、まったく新しい北朝鮮になっている」と主張する。金正恩の政治判断はどのようなもので、どう変わったのか。仲介者もおらず、対話チャンネルも閉鎖してしまった中で、それにも関わらず、最悪のシナリオを避けるためにできることはあるのか、また、いま必要なことは何か、を考える。頻繁に北朝鮮に通い、現地の最先端・深奥をつかむコラムで定評のある訳者の解説を付け、より理解を深めたい。「北朝鮮の核武装が後戻りできないレベルに到達し、朝鮮半島の非核化が事実上不可能になっただけに、非核化を核心的な目標としてきた北朝鮮政策も変えるべきだ…(中略)…しかし今回、再検討すべき対象は、目に見える核問題よりはるかに広くかつ深い。北朝鮮の変化は国防分野だけでなく、経済や対南関係、外交など国家戦略全般にわたって生じてくるためだ。」(本文より)

著者略歴

著:鄭 旭湜
チョン・ウクシク 平和研究者・活動家。2021年から韓国紙『ハンギョレ』のハンギョレ平和研究所所長。韓国・高麗大学政治外交学科卒業、北韓大学院大学で修士。2006~07年、米ジョージワシントン大学訪問学者として米韓同盟と北朝鮮の核問題を研究した。二十数年間、朝鮮半島と東アジアの軍縮、反核、平和体制の研究・活動に従事してきた功績で第8回李泳禧賞を受賞(李泳禧は韓国で有名なジャーナリスト)。著書に『核と人間』『MDの本質』『THAADのすべて』など多数(いずれも韓国語)。
訳:福田 恵介
ふくだ・けいすけ 東洋経済解説部・コラムニスト。『東洋経済』元副編集長。1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)などがある。

ISBN:9784779129797
出版社:彩流社
判型:4-6
ページ数:192ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2024年08月
発売日:2024年08月06日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JP
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:NH