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『失われた時を求めて』における父親像

赦しとエクリチュールの間に

著:星谷 美恵子

紙版

内容紹介

これまで言及されることが少なかった
『失われた時を求めて』に描かれた父親像を、
プルーストの「書き方」(エクリチュール)に隠された、
登場人物たちの
ユダヤ性、
母親と語り手の関係との対比、
「アブラハム」に喩えられた父の示す意味から
読み解く!

プルーストは否定と肯定を繰り返す蛇行した文体のなかで、
父親と語り手の関係を如何に描き、
読者に何を伝えようとしていたのか。

丁寧なテキスト読解と調査による文芸評論!

目次

【主な目次】

はじめに

序章
 1 プルーストにおける父親研究の視点
 2 先行研究と本書の視点

第1章 エクリチュールの二重性とユダヤ性
 1 はじめに
 2 プルーストの父親
 3 父親とアブラハム
 4 「ジグザグに曲がる道」とエクリチュール
 5 スワン
 6 母親 ——着替えの劇の舞台
 7 マドレーヌ体験
 8 むすび

第2章 父親の絶対性
 1 はじめに
 2 父親の「原則(principes)」
 3 アブラハムの仕草
 4 父親の赦し
 5 母親の死
 6 版画とエクリチュール
 7 むすび

第3章 父と子
 1 はじめに
 2 「途方もない(extraordinaire)」ものとの遭遇
 3 父親の死
 4 「家族小説」と『フランソワ・ル・シャンピ』
 5 『フランソワ・ル・シャンピ』と「私生児」
 6 自由の獲得
 7 むすび

終章
総括

おわりに

著者略歴

著:星谷 美恵子
ほしや・みえこ
獨協大学大学院外国語学研究科博士後期課程
フランス語学専攻単位取得満期退学。博士(フランス文学)。
現在、(株)Atelier M&T 代表取締役副社長。
フランス文学研究、建築の仕事、織物の文様研究の
三分野に携わる。
コンブレーの家で近い将来は、文学サロンを開く予定。
共著に
「花菱の文様にみる東西交流─イラン織物と絵絣の関連から」
(『東西交渉とイラン文化』所収、勉誠出版、2011年)、
他プルーストに関係する論文を多数発表。

ISBN:9784779124808
出版社:彩流社
判型:A5
ページ数:294ページ
定価:3000円(本体)
発行年月日:2018年05月
発売日:2018年05月19日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB