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上海の日本人街・虹口

もう一つの長崎

著:横山 宏章

紙版

内容紹介

古くから長崎と上海は東シナ海を挟んだ
海のゴールデン・ルートだった。

帝国主義の時代、欧米の列強は中国を蚕食し、
各地に治外法権の租界を形成した。

上海の共同租界の一角に作られた日本人街は
10万人を超える人々が活動し、その多くが長崎人だった。

さびれた寒村から一気に東洋一の大都市へと変貌した
上海は、「魔都」と呼ばれる繁栄と貧困、歓楽と犯罪、
多くの矛盾を抱えた植民地の象徴でもあった。

多くの日本人が進出し、日本人街が形成され、
栄華を極めるかに見えた裏で、反日の狼煙があがる。
やがて、居留民保護のため陸戦隊を上陸させた日本軍と
共同租界の周辺で武力衝突が発生(第一次上海事変)、
その後、37年の盧溝橋事件を期に本格的な日中戦争に突入、
日本軍は上海を占領する。

しかし、太平洋戦争の敗北によって、日本人街は崩壊する。
引揚げは満州とは異なり悲惨なものではなかったが……。

本書は、上海の日本人街の歩みを長崎人の関わりを通して描く、
日中関係史の側面史である。図版多数収載!

目次

【収録内容】

序 言

Ⅰ「魔都」といわれた上海

Ⅱ 虹口に形成された日本人街

Ⅲ 上海と長崎の結びつき

Ⅳ 上海の夜を彩った長崎の女性たち

Ⅴ 増大する日本人の進出

Ⅵ 上海の反日ストライキ――「五・三〇運動」

Ⅶ 第一次上海事変(1932年)
――戦争のなかの上海

Ⅷ 第二次上海事変(1937年)
――日本の上海占領へ

Ⅸ 中国から見た二つの上海事変

Ⅹ 日本人街の崩壊と上海日本人居留民の引揚げ

後 記

著者略歴

著:横山 宏章
よこやま ひろあき
1944年、山口県下関市生まれ。
一橋大学法学部卒業。朝日新聞記者を経て、
一橋大学大学院法学研究科に進学、法学博士。
明治学院大学法学部、県立長崎シーボルト大学
国際情報学部、北九州市立大学大学院
社会システム研究科で、中華民国史を中心とした
中国政治史を教える。
現在は北九州市立大学名誉教授、
上海同済大学亜洲太平洋研究センター顧問教授。
著書 『中華民国』(中央公論社)、
『陳独秀の時代』(慶應義塾大学出版会)、
『素顔の孫文』(岩波書店)、
『孫文と陳独秀』(平凡社)、
『長崎が出会った近代中国』(海鳥社)、
『長崎 唐人屋敷の謎』(集英社)など多数。

ISBN:9784779123344
出版社:彩流社
判型:4-6
ページ数:200ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2017年06月
発売日:2017年06月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KC