出版社を探す

わたしは潘金蓮じゃない

著:劉 震雲
訳:水野 衛子

紙版

内容紹介

中国きってのユーモア作家が描く現代中国の素顔!

「潘金蓮」とは?
『水滸伝』『金瓶梅』に登場する、通説では架空とされている女性。

『水滸伝』では、炊餅(蒸し饅頭)売り・武大の妻として登場。
絶世の美女だが性欲・物欲・向上心が強く、
夫を殺して情夫との淫蕩にふける典型的な悪女・淫婦である。
『金瓶梅』では副主人公として描かれ、彼女の名の頭文字が
作品の題名の一文字目として使われている。

本作は、范氷々(ファン・ビンビン) 主演で、
9月に中国で公開予定の映画『私は李雪蓮』の原作です!

本作のヒロイン、李雪蓮は、一介の農村婦人でありながら、
権力にも世俗的な成功者にもまったく臆することなく、
自分が納得いかないことには決して巻かれず、
理不尽な夫や地域の権力者たちに立ち向かう。
あの手この手で彼女を懐柔しようとしたり丸め込もうと
する自分の利益しか考えないせこい役人たちの思惑を
しっかり見抜き、
自分は、「潘金蓮じゃない」と言って、
自分の足でしっかり生きていくそのたくましさに、
読者は思わず喝采を浴びせたくなる。

独りっ子政策の行き詰まりや、保身に走る役人たちの
滑稽さなど、現代中国の抱える問題点をユーモラスに描く、
劉震雲の傑作長編小説、ついに翻訳なる!

前作『盗みは人のためならず』も併せてお読みください。

著者略歴

著:劉 震雲
りゅう・しんうん
1958 年中国河南省延津県生まれ。
1973 年から1978 年まで人民解放軍兵士、
1978 年北京大学中国文学科入学、
1982年同大学卒業後「農民日報」勤務、
1987 年発表の『塔鋪』で注目される。
2003 年『手機』が映画化される。
2010 年
『我叫劉躍進』(邦題『盗みは人のためならず』)が
映画化される。
2011 年『一句頂一万句』で第八回茅盾文学賞受賞。
2012 年『温故一九四二』が映画化される。
邦訳は他に『ケータイ」(桜美林大学北東アジア研究所)、
『温故一九四二』(中国書店)がある。
訳:水野 衛子
みずの・えいこ
1958 年東京都生まれ。
1981 年慶應義塾大学文学部文学科中国文学専攻卆。
訳書に『中国大女優 恋の自白録』(文藝春秋社)。
『中華電影的中国語 さらば、わが愛 覇王別姫』(キネマ旬報社)、
『ジャスミンの花開く』(日本スカイウェイ)、
『セデック・バレ』(河出書房新社)がある。

ISBN:9784779122521
出版社:彩流社
判型:4-6
ページ数:315ページ
定価:2600円(本体)
発行年月日:2016年08月
発売日:2016年08月13日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB