日清戦争は義戦にあらず
秩父困民党から軍夫へ
著:河田 宏
紙版
内容紹介
秩父の風土が育んだ一人の農民が明治という時代を、
どう見、如何に生きたか、
そして“軍夫”として使い捨てられた戦争とは何かを問う!
明治維新後、急速に近代化を進める日本は様々な矛盾を
抱えていた。政府内対立は朝鮮問題をめぐって西南戦争を生み、
一方で自由民権運動を巻き起こした。
全国的な農村の疲弊は秩父事件に象徴される農民蜂起をもたらした。
そうしたなかで、国力増強の道として朝鮮を視野に入れ、
世界の“一流国” を目指して最初の対外戦争である日清戦争に
突入する。
本書は、軍夫として動員された庶民から見た戦争の姿である。
目次
【収録内容】
まえがき
序 章
秩父塚越の花まつり
第一章 夜明けまえ
中庭蘭渓と禊教
五箇条ノ誓文と新生日本
新生日本の分裂
自由民権運動と秩父農民蜂起
禊教徒 柳原正男
第二章 暗黒の明治
戦い敗れて
囚われ人
柳原正男の獄中生活
社会の縮図
武甲山
獄中からみえる日本
第三章 明治日本のかたち
日本国憲法
恩赦大赦
故郷とは
混迷
第四章 世紀末の明治
「国力を養うには朝鮮に進出すべ
し」
軍備増強
迷う柳原正男
明治のメディア新聞
第五章 日清戦争への道
戦争は興すもの
風雲急なり
第一次東学農民戦争
朝鮮王宮占拠
第六章 開戦
明治二十七年の柳原正男
決断
広島
勝報続く
第七章 戦争の義
遼東半島
戦場の軍夫
旅順口
旅順虐殺事件
義戦にあらず
日本の対応
第八章 戦争に義なし
大連
第二次東学農民戦争
日清戦争と脚気
花御堂
終 章
墓地
戦い終わって
日清戦争と田中正造
あとがき
参考文献