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煉獄のアイルランド

免疫の詩学/記憶と徴候の地点

著:木原 誠

紙版

内容紹介

煉獄誕生の地、聖パトリックの穴へいざ出航!

煉獄――存在の有無について未だ議論されている、
この世で犯した罪を償う苦難の道。

プロテスタントとカトリックが入り交じるアイルランドに
隠された、“煉獄”の秘密……。
オイディプス、シンデレラ、イェイツまで。彼らが暗示した
“煉獄”の存在を、斬新な切り口で解き明かす!
歴史に埋もれたタブーに著者独自の「免疫の詩学」を用いて挑む。
新たな方法論を提示する一冊!

【免疫の詩学とは】
“免疫”の存在は、身体の主体が実は脳ではなく、
臓器の役割から外れた免疫こそにあった、という点で
医学界に転換をもたらした。
その機能は、非自己( ウイルス) により自己(身体)を
同時に認識出来るというものである。
その機能に準えて文化論を語ることで、文化学を捉え直そうと
試みる著者独自の方法論を「免疫の詩学」と呼ぶ。

目次

はじめに 方法としての免疫の詩学――おもざしの作法
序     文化学としての免疫の詩学――周縁と無縁の原理
第一章  免疫の詩学/身体の文法――まなざしか、おもざしか
第二章  煉獄のシンデレラ――免疫の詩学のしるし/記憶と徴候
第三章  煉獄のアイルランド――免疫の詩学とオクシデント
第四章  煉獄のハムレット――免疫の詩学と異界
第五章  煉獄のイェイツ――免疫の詩学と供犠
補論   煉獄の夢幻能
第六章  結び 煉獄の鎌倉――免疫の詩学とオリエント

著者略歴

著:木原 誠
1961 年、福岡県生まれ。
佐賀大学文化教育学部教授(国際文化課程)。
著書に『イェイツと夢』(2001年、彩流社、
2001 年第一回日本キリスト教文学会賞)。
編共著 に『周縁学―<九州/ ヨーロッパ>の
近代を掘る』(2010年、昭和堂)、
『歴史と虚構のなかのヨーロッパ―国際文化学の
ドラマツルギー』(2007年、昭和堂)。
共著に『臨床知と徴候知』(2012年、作品社)、
『愛のモチーフ―イギリス文学の風景』(1995年、彩流社)。

ISBN:9784779121548
出版社:彩流社
判型:A5
ページ数:616ページ
定価:6200円(本体)
発行年月日:2015年08月
発売日:2015年08月03日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:FB