愛知・岐阜県内に広大な路線網を持つ名古屋鉄道(通称:名鉄)は、明治・大正期に創業した多くの会社の集合体であり、戦後、昭和30年代に入っても、合併前の各会社から引き継いだ古い木造の電車が多数在籍していました。
これらを近代的な車輌に生まれ変わらせるため、名鉄では木造車輌の部品を活用し、新造の鋼製車体と組み合わせる「鋼体化」という手法を採りました。これにより昭和32年に誕生したのが3700系です。
名鉄では木造車に引き続き、老朽化した半鋼製車も同様の手法で近代化し、3730系、3770系、3780系の各系列が誕生しました。
本書では一連の「鋼体化」の経緯と、その種車となった木造車と半鋼製車について解説します。