挿絵叢書 茂田井武(一)
編:中村 圭子
紙版
内容紹介
童画家の作品とは思えない幻想的でエキゾチックな挿絵の数々。 茂田井武が童画で名を馳せる前に書いていた異色な作品を蒐集。
茂田井武と言えば、絵本『セロ弾きのゴーシュ』で有名な童画家である。その茂田井が青年期に書いていたのは、雑誌の挿絵であった。その多くは、童画とはまったく異なる作風なのである。
本書では、茂田井が書いた挿絵のうち、幻想的な作品とエキゾチックな作品を、小説とともに紹介する。「童画の茂田井」とはまったく異なる、「挿絵の茂田井」の世界に読者をご案内しよう。 巻頭では、『退屈画帳』から厳選した作品5点をカラーで紹介。茂田井の挿絵デビュー作である横溝正史「かいやぐら物語」や、江戸川乱歩とコラボした「猫町」など、貴重な作品を一挙掲載。
目次
巻頭カラー 「退屈画帳」茂田井武
序――浜田雄介
「かいやぐら物語」横溝正史
「血蝙蝠」渡辺啓助
「生不動」橘外男
「「滝夜叉」憑依」 髙橋鉄
「月下の亡霊」西尾正
「極東」小栗虫太郎
「髑髏笛」櫻田十九郎
「広東珍探記 骨董迷路」茂田井武
「広東珍食記 龍虎大会」茂田井武
「国際骨牌師」茂田井武
「猫町」江戸川乱歩
〈挿絵ギャラリー〉「猫島物語」林耕三
〈解説〉「茂田井武の生涯」中村圭子
〈解説〉「暗い幻聴とエキゾティシズム」末永昭二