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ロマノフの消えた金塊

著:上杉 一紀

紙版

内容紹介

ロシア革命とともに流出したロマノフ王朝の財産。革命後の内戦、日本をはじめ列国の介入により混乱を極めるロシアの大地を、500トンの金塊・金貨はシベリア鉄道を東にたどる。その莫大な財貨のゆくえについては、いまなお陰謀と伝説が語り継がれる。一部は日本にも持ち込まれた金塊の運命を、「証拠主義」に徹し究明する、「ロマノフ金塊疑惑」の決定版。

目次

はじめに

プロローグ

第一章 時代
   一.第一次大戦の勃発
   二.せめぎあう列強の思惑
   三.大戦下の日本とロシア
   四.ふたつのロシア革命
   五.ロシア国内戦へ
   六.内戦のカオス
   七.チェコスロヴァキア軍団……シベリアの暴発
   八.内戦干渉はじまる
   九.『浦潮日報』という物見やぐら
   一〇.円経済圏拡大の野望と植民地中央銀行の座
   一一.シベリアにおける朝鮮銀行

第二章 シベリア金塊の正体
   一.五〇〇トンの黄金
   二.全ロシア臨時政府
   三.流転の提督
   四.コルチャーク独裁政権の誕生 
   五.アタマン・セミョーノフ
   六.イルクーツク遷都の実状
   七.溶けゆく金塊
   八.コルチャークの下野宣言
   九.イルクーツクの金塊列車
   一〇.鈴木荘六中将の陣中日記より
   一一.金塊追跡の大義名分

第三章 金塊、逃げる
   一.二隻の砕氷船 
   二.尼港事件
   三.パルチザンの蛮行と新聞報道
   四.セミョーノフの金塊(一)……窰門・寛城子危機の顛末
   五.セミョーノフの金塊(二)……民間人の影
   六.セミョーノフの金塊(三)……大阪へ
   七.「黄金都市」と化すハルビン
   八.ハルビン以外の流れ
   九.極東共和国の成立とセミョーノフ軍の解散
   一〇.ペトロフの金塊……食い違う証言
   一一.訴訟陰謀説
   一二.カルムイコフの金塊……露呈した不法保管

第四章 波高き日露のはざまで   
   一.原敬暗殺
   二.日本の対ロシア債権
   三.ポチャーギンの金塊……日露の損得勘定
   四.「ローザノフの金塊」?
   五.白軍敗走
   六.その後のセミョーノフ……幻視のなかの蒙古統一

第五章 地下水脈      
   一.田中義一の軍事機密費着服疑惑
   二.歩兵第五九連隊の金塊と「宇都宮の怪火」
   三.未届け〝戦利品〟の行方
   四.金塊疑惑追及の終焉
   五.セミョーノフの最期
   六.流出の総決算(一)……モスクワへの還流
   七.流出の総決算(二)……パリに続く道

エピローグ

おわりに

参考文献

さくいん

著者略歴

著:上杉 一紀
1953年札幌生まれ。早稲田大学法学部卒。北海道テレビ放送入社。主に報道畑を歩き、ニュース、ドキュメンタリーの制作にあたる。旧ソ連の閉鎖都市ウラジオストクを西側テレビ記者として初取材。マニラ特派員(ANN系列)、報道部長、取締役、映像制作会社代表等を務めた。著書に『ロシアにアメリカを建てた男』(旬報社)、番組に「霧の日記~アリューシャンからの伝言」(民放連賞テレビ教養部門最優秀作)ほか。

ISBN:9784773420357
出版社:東洋書店新社
判型:4-6
ページ数:288ページ
定価:2200円(本体)
発行年月日:2019年12月
発売日:2019年12月14日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:1DTA