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精神分析のゆくえ

臨床知と人文知の閾

編:十川 幸司
編:藤山 直樹

紙版

内容紹介

精神分析はどこに向かうのか?

フロイトによる「素人分析」の問い、ルソーと倒錯論、精神病体験と欲動論の未来、イタリア現代思想、情動のデモクラシー、そして移行対象とポリリズムへ――人文学との討議より生まれ、ふたたび人文学へ帰還する、精神分析のダイナミズム。

「臨床なくして精神分析はない――これは揺らぎようのない大前提である。しかし、精神分析を臨床のみに純化させてしまうなら(治療行為としての精神分析)、その本質は歪められてしまうだろう。フロイトが明言するように、「精神分析を神経症者の治療に用いるのは、その応用例の一つに過ぎない」(「素人分析の問題」)のである。[…]精神分析と人文学との関係は、このようなパラドクサルな問いを私たちに強いてくるのである」(十川幸司「はじめに」より)

目次

はじめに―精神分析は二一世紀に生き残れるのか/十川幸司

I 素人分析の問題
素人が精神分析理論を論じることの問題―フロイト「素人分析の問題」から出発して/國分功一郎
精神分析はどこにあるのか、精神分析家とは誰か―レイ・アナリシス論文を素材にフロイトと対話する/藤山直樹
■精神分析の「幼年期の終わり」―〈討議の後に〉/原 和之

II 倒錯
倒錯と法―「症例」ルソーとその思想/佐藤淳二
倒錯の一般的な特徴/妙木浩之
■他者性の否認、愛の砂漠―討議の後に/立木康介

III 精神病はいま
精神病体験の本態を探る/松木邦裕
欲動論の未来―精神病と自閉症/十川幸司
「精神病は、いま」―討議の後に/久保田泰考

IV 現代思想
ジョルジョ・アガンベンと精神分析/岡田温司
共感の共同体論再考―来たるべきテレパシー民主主義のために/宮﨑裕助
移行対象とポリリズム―精神科閉鎖病棟における「遊び」の試み/村上靖彦
■精神分析と人文学の閾―討議のあとに/十川幸司

あとがき/藤山直樹

ISBN:9784772419321
出版社:金剛出版
判型:4-6
ページ数:256ページ
定価:3400円(本体)
発行年月日:2022年11月
発売日:2022年11月04日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MKM