対人支援のダイアローグ
オープンダイアローグ、未来語りのダイアローグ、そして民主主義
著:高木 俊介
内容紹介
現代社会は,対人支援の現場においても,協働作業が難しい状況にあり,障害者支援システムは大転換の時代にある。
本書で展開されるのは,精神科治療のためのオープンダイアローグと対人支援組織や当事者―支援者関係のための未来語りのダイアローグを統合するための実践的な試みである。
ふたつのダイアローグでは,支援者に高度な精神療法的配慮とソーシャルネットワークを集める視点が求められる。著者は,共同体の再生を目指す,ふたつのダイアローグの技法的側面と治療哲学をバフチンの「ダイアローグの思想」を引用しながら有効な治療戦略としてわかりやすく解説する。
巻末には,未来語りのダイアローグの研修を共にした実践者、竹端寛氏・舘澤謙蔵氏とのダイアローグの真髄に触れた座談会を収録した。当事者・家族、そして治療者の悩みをダイアローグし続ける心理的支援を目指す新しい臨床的試み。
目次
□第Ⅰ部 オープンダイアローグ、未来語りのダイアローグ,そしてトラウマ座談会
オープンダイアローグは日本の精神医療の扉を開くか
「奇跡の果実」は実るのか――日本にオープンダイアローグを取り入れるために
今、ダイアローグを学ぶ意味――「ダイアローグの思想」と「新しい共同体」
多職種が連携するためにはダイアローグが必要――未来語りのダイアローグを中心に
ネットワークの生成と対話ミーティング――未来語りのダイアローグを中心に
オープンダイアローグをACTに取り入れる
ダイアローグと多職種連携、そしてアサーション――多職種連携のための場をつくる
「トラウマの時代」の対人支援とオープンダイアローグ
□第Ⅱ部 エッセイ
デカルトしてみた宇宙人
人と大地、傷と回復
水俣の傷、写真家の傷――映画『MINAMATA』に寄せて
虐待は連鎖、しない
□第Ⅲ部 神田橋精神療法とオープンダイアローグ
神田橋條治『精神科診断面接のコツ』を再読する
神田橋條治『精神療法面接のコツ』を再読する――オープンダイアローグへの道
□第Ⅳ部 座談会
対人支援のダイアローグ――ダイアローグの実践と精神医療改革、そして真の民主主義へ/高木俊介・竹端寛・舘澤謙蔵
ISBN:9784772419109
。出版社:金剛出版
。判型:4-6
。ページ数:264ページ
。定価:2600円(本体)
。発行年月日:2022年08月
。発売日:2022年08月01日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MJ。