はじめに 3
本書の目的と構成 5
第1章 序 論
1節 研究の背景 17
1.1 日本におけるうつ病対策の現状 17
1.2 うつ病罹患者に対するスティグマへの着目 18
1.3 第1章の目的と構成 19
2節 スティグマ概念の分類と整理
―非罹患者が抱くスティグマ的信念への着目 20
2.1 スティグマを抱く主体に着目した分類 20
2.2 スティグマの多次元性に着目した分類 22
3節 基礎研究の概観
―非罹患者が抱くスティグマ的信念の内容とその関連要因 25
3.1 非罹患者が抱くスティグマ的信念の具体的内容 25
3.2 非罹患者が抱くスティグマ的信念の関連要因 26
3.3 得られた知見のまとめと課題の考察 27
4節 介入研究の概観―知識啓発に対する従来の着目とその限界 28
4.1 介入方法の整理:知識啓発に対する従来の着目 28
4.2 知識啓発の際に用いるモデルの検討 29
4.3 罹患者との接触を用いた知見の整理 31
4.4 得られた知見のまとめと課題の考察 32
5節 潜在尺度を用いた測定への着目
―スティグマ的信念を検討する上での利点と研究例の概観 34
5.1 潜在尺度を用いた測定への着目 34
5.2 精神疾患の罹患者に対するスティグマ的信念の測定に潜在尺度を用いた
研究の概観 36
6節 第2章以降の目的と構成 38
6.1 先行研究から導出される研究課題 38
6.2 第2章以降の目的と構成 39
6.3 用語の定義 42
[コラム①]臨床社会心理学の創造性―海外の研究例の紹介 44
第2章 既存のスティグマ理論に対する批判的検討
1節 第2章の目的と構成 47
1.1 第2章の目的 47
1.2 第2章の構成 50
2節 Brief IATで用いるカテゴリ名の検討[研究1:予備研究a] 51
2.1 目 的 51
2.2 方 法 52
2.3 結 果 53
2.4 考 察 55
3節 Brief IATで用いる刺激語の選定[研究1:予備研究b] 55
3.1 目 的 55
3.2 方 法 56
3.3 結 果 58
3.4 考 察 60
4節 Brief IATによる,既存のスティグマ理論の批判的検討[研究1:本研究] 60
4.1 目 的 60
4.2 方 法 61
4.3 結 果 69
4.4 考 察 78
[コラム②]オンライン研究がもつ可能性と実施上の留意点 85
第3章 うつ病罹患者に対する信念の構造に関する検討
―プロトタイプ分析と質問紙実験を用いて
1節 第3章の目的と構成 89
1.1 第3章の目的 89
1.2 第3章で用いる主要なアプローチ 90
1.3 第3章の構成 92
2節 うつ病罹患者に対する信念に関する自由記述データの分析[研究2a] 93
2.1 目 的 93
2.2 方 法 94
2.3 結 果 95
2.4 考 察 98
3節 うつ病罹患者に対する信念のプロトタイプ性の評価[研究2b] 100
3.1 目 的 100
3.2 方 法 100
3.3 結 果 101
3.4 考 察 103
4節 うつ病罹患者に対する偏見に関する自由記述データの分析[研究3a] 104
4.1 目 的 104
4.2 方 法 104
4.3 結 果 105
4.4 考 察 108
5節 うつ病罹患者に対する偏見のプロトタイプ性の評価[研究3b] 109
5.1 目 的 109
5.2 方 法 109
5.3 結 果 110
5.4 考 察 112
6節 うつ病罹患者に対する信念や偏見と,排斥・サポート行動との関連の検討
[研究4] 112
6.1 目 的 112
6.2 方 法 115
6.3 結 果 120
6.4 考 察 124
[コラム③]「地味な研究」を積み重ねることの重要性 127
第4章 うつ病罹患者に対するスティグマ的信念を低減する方策の
効果検討―反ステレオタイプ法に着目して
1節 第4章の目的と構成 131
1.1 第4章の目的 131
1.2 潜在的なステレオタイプや偏見の変化を扱った理論と研究の概観
―反ステレオタイプ法という手法への着目 132
1.3 反ステレオタイプ法を扱った先行研究の具体的手続きの概観 135
1.4 反ステレオタイプ法をうつ病の場合に応用する上での課題の考察 136
1.5 第4章の構成 139
2節 うつ病罹患者の場合における反ステレオタイプ法の試験的実施と
手続きの改善点の検討[研究5:予備研究a] 141
2.1 目 的 141
2.2 方 法 142
2.3 結 果 148
2.4 考 察 152
3節 Brief IATにおいて用いるカテゴリと刺激語の再選定[研究5:予備研究b] 157
3.1 目 的 157
3.2 方 法 158
3.3 結果と考察 160
4節 反ステレオタイプ法の実施による,うつ病罹患者に対するスティグマ的
信念の低減効果の検討[研究5:本研究] 166
4.1 目 的 166
4.2 方 法 167
4.3 結 果 177
4.4 考 察 184
[コラム④]効果検討のTips―帰無仮説検定にとらわれない視点の重要性 189
[コラム⑤] 16,400通りの「うつ病」をどう捉えるか?
―心理ネットワークアプローチがもつ可能性 194
第5章 総合考察
1節 本書で得られた知見の総括と,知見の意義の考察 197
1.1 本書で得られた知見の総括 197
1.2 本書で得られた知見の意義 204
2節 本書の限界と今後の展望 209
2.1 本書の限界 209
2.2 今後の展望 213
[コラム⑥] スティグマ対策先進国での体験
―日本の研究者が貢献できることはなにか? 218
[コラム⑦] 世間の「無関心」「無理解」をどう乗り越えていくか?
―うつ病についての「対話の場」の必要性 221
付録
[付録1]邦訳版Attribution Questionnaire-27(AQ-27)の項目一覧(第2章4節) 221
[付録2]うつ病の原因論に関する知識啓発テキストの全文(第2章4節) 231
[付録3]反ステレオタイプ法の想起課題で用いた文書の全文(第4章2節) 237
[付録4]うつ病の視聴覚教材(知識の解説)のナレーション全文(第4章4節) 243
[付録5] うつ病の視聴覚教材(反ステレオタイプ的事例)のナレーション全文
(第4章4節) 247
[付録6] 反ステレオタイプ的事例に関する想起課題で用いた文書の全文
(第4章4節) 251
謝辞 257
引用文献 261
初出一覧 274