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トラウマにふれる

心的外傷の身体論的転回

著:宮地 尚子

紙版

内容紹介

心は震え、身体はささやき、そして人は生きていく。
薬物依存、摂食障害、解離性同一性障害、女性への性暴力、男児への性虐待をはじめとした臨床現場の経験知から、中井久夫、エイミー・ベンダー、島尾ミホ・敏雄との対話からなる人文知へ。傷を語ることは、そして傷に触れることはできるのか? 問われる治療者のポジショナリティとはいかなるものか? 

傷ついた心と身体はどのように連動しているのか? ジェンダー・センシティビティはいかにして臨床の質を左右するのか?――傷ついた心と癒されゆく身体、その波打ち際でトラウマと向き合う精神科医の、思索の軌跡と実践の道標。

目次

I-傷を語る・傷に触れる
1-トラウマの皮膚に触れる
2-トラウマの味と匂い
3-文化とトラウマ

II-臨床の知
1-治療者のジェンダー・センシティビティ
2-性暴力とPTSD
3-親密的領域での暴力は被害者から何を奪うのか

間奏曲-中井先生に会いに、神戸へ

III-傷に寄り添う
1-薬物依存とトラウマ――女性の依存症者を中心に
2-災厄のもたらす身体――被災地から性産業へ
3-食べることの調律もしくは食べることの失調――複雑性トラウマと摂食障害

間奏曲-passing on=手渡す・伝える――エイミー・ベンダーとの対話

IV-傷と男性性
1-男児への性的虐待――気づきとケア
2-男性の性被害――被害と加害の「連鎖」をめぐって
3-解離性同一性障害とジェンダー

間奏曲-生き延びるということ――島尾ミホと敏雄

V-知は飛翔する
1-学問のクレオール――もしくは亡き友への手紙
2-宙づりを生きる知のありかた

ISBN:9784772417709
出版社:金剛出版
判型:4-6
ページ数:320ページ
定価:3400円(本体)
発行年月日:2020年09月
発売日:2020年08月31日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MJ