はじめに
第1部 鳥獣害問題の基本知識
1章 鳥獣害問題と森・里の保全
1)生物多様性と種ヒト(ホモ・サピエンス)
2)豊かな森から一動物種として誕生した種ヒト
3)人工的自然、里山の構成
4)日本の高度経済成長による里山の変化
5)森・里の崩壊と危機
2章 野生動物との共存と人圧との関係
1)害獣が棲む標高と生息域の垂直拡大
2)対峙関係の必要性の事例
ケニアにおける野生象の保護/マレーシアでの観光客の不注意な行動による猿害/ハトの餌付けと糞害/渡り鳥や海鳥への餌付け/野生ザルへの餌付けの結果は?/観光ぶどう園の無意識的餌付け/六甲山のイノシシ/産業動物と野生動物との違い?/人と野生動物との共存とは?/野生動物に人圧をかける
3章 日本の国土・野生動物の3大変化
1)日本の経済成長に起因する3大変化
森の変化/里の変化/気象の変化
2)野生動物の3大変化
生息地環境の変化/行動の変化/個体数の変化
3)日本の国土・野生動物の3大変化のまとめ
4章 野生動物の3大管理
1)集落・農地管理
2)生息環境管理
3)個体数管理
5章 第二種特定鳥獣管理計画
1)特定鳥獣管理計画の概要
計画的な保護及び管理/対象鳥獣/保護及び管理におけるゾーニング/保護及び管理の目標の柔軟性/モニタリング/特例措置
2)特定鳥獣管理計画を策定している都道府県(2015年4月1日現在)
3)特定鳥獣管理計画活動の位置づけ
被害管理/個体数管理/生息地管理
第2部 鳥獣害問題の具体的な解決策と解決方法
6章 地域づくりと地域ぐるみによる鳥獣害対策
1)江戸時代の地域ぐるみによる鳥獣害対策意識
2)現代社会の鳥獣害対策意識と住民の意識改革の方向
3)合意形成手法
点的(個人)対策から面(組織)的対策への誘導の必要性/会社組織と自治会組織との違い/集落研修会での実例と住民との対応方法/具体的な住民の誘導手法/良好な人間関係を保つための会話手法/合意形成(集落誘導)手法 15のポイント
4)組織誘導のワン・ツー・スリー
個人対策からより大きな組織対策へ誘導/集落内既存組織の特徴/地域ぐるみ対策のリーダー/持続的な対策に導くための複数リーダーの育成/鳥獣害対策の実施手順
7章 野生動物の性格と主要害獣の生態
1)野生動物の性格
森と農地の境界線/ゾーニング/家畜放牧ゾーニング
2)主要害獣の生態
ニホンジカ/イノシシ/ニホンザル
8章 集落環境診断(点検)箇所の事例
1)防護柵の診断(点検)
2)用・排水路穴の診断(点検)
3)門扉などの診断(点検)
4)門扉開閉管理の診断(点検)
5)河川敷など侵入経路の診断(点検)
6)獣道の診断(点検)
7)その他侵入経路の診断(点検)
8)被害農地の診断(点検)
9)集落内のエサ場の診断(点検)
10)雑草地の診断(点検)
11)緩衝地帯(バッファーゾーン)の診断(点検)
12)家畜放牧地の診断(点検)
13)捕獲檻の診断(点検)
9章 被害防止対策の推進体制による地域支援
1)住民主動の対策に向けた自治体の役割と推進体制
2)組織体制
地域農業振興を核として取り組む組織体制/野生動物対策を核として取り組む組織体制/住民の生活保護を核として取り組む組織体制/後域地域連合組織が核となって取り組む組織体制
3)関係組織分野での鳥獣害対策業務の位置づけ
鳥獣害対策における普及指機関の業務の位置づけ/農政分野での鳥獣害の整理/野生動物管理分野での鳥獣害の整理/地方行政(県)での野生動物管理の整理
おわりに/あとがき/参考文献