まえがき
第Ⅰ部 基礎編
第1章 学校に行きづらい子どもたちと教育を受ける権利
第1節 子どもは学校に行くという「常識」の成立
1.子どもと学校の歴史
2.「常識」を支える仕組み
第2節 強固な一条校中心主義の問題と教育機会確保法の成立
1.普通教育を受ける権利が保障されない子どもたち
2.一条校中心主義克服の試み
3.教育機会確保法の成立
第3節 すべての子どもの育ちを支える地域総働
1.不登校児童生徒の孤立を防ぐ取り組み
2.フリースクールが果たしている役割と課題
3.地域総働で公教育を変えていく可能性
第2章 不登校児童生徒と学校をめぐる今日的状況
第1節 見えにくい「複合的要因」を読み解く視座
第2節 近年における長期欠席の増加状況
第3節 近年における「病気」の増加状況
第4節 「不登校」の児童生徒数の学年別増加状況
第5節 コロナ禍前からの「不登校」の増加の背景
第6節 学校教育をめぐる様々な変革期や過渡期の重なり
第7節 子どもと保護者を支える地域共生社会の実現に向けて
第Ⅱ部 実践編
第3章 学校に行きづらい子どもたちの権利保障
―居場所(サードプレイス)を地域につくることの意義を考える―
第1節 居場所(サードプレイス)の拡大
第2節 地方におけるフリースクールの開設
第3節 フリースクールへの接続
第4節 理解者の広がり
第5節 フリースクールの質が問われる時代へ
第4章 「地域に根ざしたフリースクール」を目指して
―フリースクールてだのふあの歩み―
第1節 城下町彦根の古民家で
第2節 子どもの学ぶ権利を保障する
1.「てだ農園」と「てだ庭園」
2.学習支援「マナビー」と教育相談「てだカフェ」
3.活動の充実と運営体制の強化
第3節 「地域に根ざしたフリースクール」を目指して
1.「てだのふあ祭」で地域に感謝を
2.地域にしぜんに溶け込む「日常」の営み
第4節 これまでの成果と今後の取り組み
1.子どもの変化と地域の理解
2.地域,行政,学校と手をとり合って
第5章 ゼロから作り上げてきたフリースクール
―日野里山フリースクールを事例として―
第1節 団体の来歴
1.活動を始めたきっかけは一人の子どもの不登校
2.必要性を感じて始まったフリースクールの活動
第2節 休眠預金ではじめたこと
1.環境整備
2.地域や行政,学校との連携
第3節 地域づくりとしてやってきたこと
第4節 成果と課題
1.成果1:子どもたちと保護者の変化
2.成果2:『不登校』への理解の広まり
3.課題1:『民間』と『公』の壁
4.課題2:安定した経営の難しさ
第6章 子どもの「好き」や「得意」を中心とした学びを支える
―大津オルタナティブスクール トライアンフの活動―
第1節 「二度と勉強はしない」と息子が言った日
第2節 大津オルタナティブスクール トライアンフ
1.コンセプト
2.開校日
3.運営
4.一日の流れ
第3節 居心地のよい居場所づくり
第4節 外部講師を活用した地域とのつながり
第5節 幸せな子ども時代を守るために
第7章 「自然の中での遊びを通じた,自発的で協同的な学び」を地域に広げる
―スキニシー学校の活動紹介―
第1節 スキニシー学校の概要とはじまり
1.「0歳から200歳」がともに遊び,暮らし,学ぶ場
2.「森のようちえん」卒園児のつまずきから
第2節 自然の中の遊びを通じた,自発的で協同的な学び
1.ヤギと向き合い,命を感じる
2.焚き火の周りで
3.自由の相互承認と,自発的で協同的な学びを求めて
第3節 「遊びによる学び」を地域へ(休眠預金活用事業で取り組んだこと)
1.学ぶことは本来「楽しい」
2.ティーチャー・イン・キャンプの実践
3.映像を用いた「遊びによる学び」の見える化
4.地域の多様な人々との活動
第4節 活動で生じた変化と,今後の取り組み
1.子どもが変わると,学校も変わる
2.「遊びによる学び」への理解を地域全体へ
第8章 フリースクールと地域づくり
―竜王子育てネットワークを事例として―
第1節 なぜフリースクールを立ち上げたか?
第2節 フリースクールの活動とその意義
1.施設改修からのスタート
2.安心を提供する場としてのフリースクール
第3節 学校に通う子どもたちにも居場所を
第4節 孤立をうまない地域づくりのために
1.交流の拠点を目指して
2.乗り越えたい課題
第9章 孤立する親子に寄り添う支援の場
―一般社団法人ぐるりの取り組みから―
第1節 母親たちの想いから生まれた支援の場
第2節 不登校の子どもと親に寄り添う包括的支援の展開
1.親たちが安心して過ごせる居場所と支援の提供
2.子どもたちのための居場所,学び,挑戦の場づくり
第3節 「地域まるごと」で支える仕組みづくり
第4節 孤立を防ぐ持続可能な地域支援をめざして
1.成果
2.見えてきた今後の課題
3.ぐるりのこれからの展望
第10章 地域総働をはぐくむ伴走支援(資金分配団体の活動)
第1節 事業のはじまり
1.当事者家族の悲痛な声を耳にして
2.碧いびわ湖の原点と活動
3.不登校の増加の実感
第2節 事業の展開
1.「地域」が子どもを育む力を取り戻すために
2.資金分配団体の役割と体制
3.現状の可視化と社会への発信
4.公共政策化と地域総働に向けた対話の促進
5.実行団体間の学び合いと交流の場づくり
第3節 伴走支援で生じた変化と対応
1.保護者や家庭への支援の重要性
2.県域のネットワークや県行政との連携
第4節 活動を通じた学びと気づき
1.「地域をつくる」とは,個別具体的な応援を積み重ねること
2.子どもと保護者の理解を深めることで狭間を超える
コラム1 学校行かないカモラジオから見た風景
コラム2 市民コミュニティ財団について
―東近江三方よし基金の事例から―
1.基金設立の経緯とその役割
2.基金の仕組み
3.今後の課題と可能性
終 章 地域総働で子どもの育ちと学びを支えるということ
第1節 学校教育のスリム化・肥大化・断片化
1.学校が担ってきた大きな役割
2.変貌させられる学校
3.切り離される子どもたち
第2節 つなぎ直すという挑戦
1.自分自身とのつながり直しを支える:子どもの権利とケア
2.身体・環境とつながり直す:生活体験・自然体験の重視
3.当事者の存在を地域に対して可視化する
4.地域社会のつなぎ直し・つながり直し
第3節 地域総働でフリースクールが拓く可能性
エピローグ 地域総働の多様性と可能性,そして課題
1.実行団体とPO の役割
2.実行団体の取り組みから見える地域総働のポイント
3.地域総働の仕組みづくり
4.子どもを応援する組織や集団のギャップを超える:滋賀モデルのポイント
5.「場所」が整備されることの効果
6.資金確保に関して
7.今後の展望