序 章 ドイツはどう動いてきたのか [田中洋子]
第1節 2025年 動くドイツの政治
第2節 「失われた30年」の間に改革が進んだドイツ
第3節 ドイツが目指す社会像とは?――社会国家
第4節 社会的保障はどう展開したのか――生活を支える改革
第5節 社会的公正はどう展開したのか――仕事を支える改革
第1章 生活保障+教育支援としての基礎保障 [田中洋子]
第1節 ベーシックセキュリティVS ベーシックインカム
第2節 基礎保障として何が保障されるのか
第3節 ジョブセンターの組織と活動
第4節 教育訓練支援を通じた経済的自立の事例
第5節 難民・移民の場合
第6節 基礎保障制度の限界
第7節 ベーシックセキュリティの意義と課題
第2章 求職者基礎保障制度改革=市民手当(Bürgergeld) [布川日佐史]
第1節 市民手当への改革と変化
第2節 基準需要額の引き上げ
第3節 制度の性格の転換
第4節 巻き返しの中で
第3章 生涯にわたる職業訓練を国が支える仕組み [大重光太郎]
――継続職業訓練政策の現状と展望――
第1節 なぜドイツの継続職業訓練に注目するのか?
第2節 継続訓練政策の流れ 1969―2023年
第3節 失業者,求職者への支援
第4節 個人のイニシアチヴへの支援
第5節 企業レベルでの教育訓練
第6節 まとめと日本への示唆
第4章 ドイツの介護保険と家族介護 [森周子]
第1節 家族介護に配慮したドイツの介護保険
第2節 介護保険制度の概要
第3節 家族介護の現状
第4節 家族介護者への配慮と負担軽減のための対応
第5節 介護手当のみの受給者数が多い理由
第6節 家族介護のさらなる負担軽減に向けた取り組み
第7節 家族介護の持続可能性を高めるために
第5章 高齢者の自立した居住に向けた非営利住宅組織の試み [永山のどか]
――日々の暮らしを社会が支える仕組み――
第1節 日本は営利,ドイツは非営利で―高齢者の自立した居住に向けて
第2節 非営利住宅組合から生まれた日常生活支援サービス
第3節 非営利住宅組合による「サービス付き住居」事業
第4節 非営利住宅企業から生まれた「サービス付き住居」――「ビーレフェルト・モデル」事業
第5節 非営利住宅組織を起点にして拡大する居住福祉ネットワーク
コラム1 ドイツは100万人の難民をどうやって受け入れたのか? [田中洋子]
――2015-16年のベルリンの現場から――
第6章 ドイツ企業の共同決定の進化 [石塚史樹]
――「未来協約」を通じた企業組織変革――
第1節 経営側と対等に交渉する従業員代表委員会
第2節 従業員代表委員会はなぜ行動を起こしたのか
第3節 従業員代表委員会はどのような対応を行ったのか
第4節 従業員代表委員会はどのような成果を得たのか
第5節 組織変革の形成に関与する従業員代表委員会
第7章 法定最低賃金をめぐるポリティクス [岩佐卓也]
第1節 最賃を大きく引き上げたドイツ
第2節 疑似協約交渉・協約準拠方式の展開
第3節 「疑似協約交渉・協約準拠」の限界と法改正
第4節 おわりに――「ポリティクス」から見えてくるもの
第8章 ドイツにおける柔軟な労働時間 [ハルトムート・ザイフェルト(田中洋子訳)]
第1節 労働時間の可変的な配置
第2節 労働時間の柔軟化
第3節 労働時間口座
第4節 選択労働時間制
第5節 合理化手段か,それとも時間主権か?
第6節 時間自律性の実現
第9章 ドイツ労働時間法制の新たな動向 [山本陽大]
――労働時間の把握・記録をめぐる法と政策――
第1節 労働時間の把握・記録義務をめぐって「動く,ドイツ」
第2節 関連法制の概説
第3節 CCOO 事件欧州司法裁判所先決裁定
第4節 その後の政策動向――モバイルワーク法案
第5節 2022年9月13日連邦労働裁判所決定
第6節 労働時間法改正案
第7節 今後の見通しは?――2025年連立協定
第10章 取引先の働き方にも責任をもつ仕組み [松丸和夫]
第1節 サプライチェーンに対するグローバル規制の必要性
第2節 経済のグローバル化の先に見えてきたもの
第3節 遅れて始まったドイツの立法化への対応
第4節 ILO の「多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言」
第5節 ドイツの代表的企業の「ビジネスと人権原則」への取組
第6節 LkSG の目指すもの
第7節 LkSG 施行から2年を経て
第8節 市場経済における公正競争と公正取引
コラム2 派遣労働の現場 [ヨナタン・クラウター(田中洋子 監修)]
終 章 2025年までのドイツ,2025年からのドイツ [田中洋子]
第1節 改革が社会を変えてきたドイツ
第2節 AfD はどんな政党なのか?
第3節 AfD の労働・社会保障政策とは?
第4節 「AfD のパラドックス」とその行方
結 語
あとがき