序 章 途上国の開発における「開発政治学」の役割
はじめに
──問題の設定──
1 国際開発学における開発政治学
2 政治学における開発政治学
3 持続可能な開発における開発政治学
4 序章のまとめと各章で書かれていること
第1章 主要援助機関におけるガバナンス認識の変遷とSDGへの対応
──“Governance matters”から“Politics matters”へ──
はじめに
1 途上国の開発におけるガバナンス不可欠性議論の概要
2 世界銀行におけるガバナンス認識の変遷
3 国連開発計画(United Nations Development Program : UNDP)
4 イギリス国際開発省(Department for International Development : DFID)
5 ガバナンスとSDG 政策
── SDG16,17に寄せて──
おわりに
第2章 世界的な民主主義の後退と民主的ガバナンス
はじめに
1 世界的な「民主主義の後退」
2 政治と開発
3 民主主義とガバナンス
おわりに
第3章 持続可能な開発へ向けた民主的選挙の制度化の課題
はじめに
1 民主主義と持続可能な開発
2 民主的選挙の制度化とは何か
3 どのように民主的選挙は制度化するのか
おわりに
第4章 ワースト・ガバナンスの国々におけるSDGs の達成状況
はじめに
1 ガバナンスの本質
2 ガバナンスとSDGs
3 ガバナンスが機能していない国々
4 ワースト・ガバナンスの国々におけるSDGs の達成状況
おわりに
──ガバナンスとSDGs の今後の方向性──
第5章 途上国のローカル・ガバナンス
──新家産制国家におけるクライエンテリズムの制度化とその変質──
はじめに
1 1990年代の基盤・起点としての独立後の国家構造
2 途上国の中央・地方関係
3 地方有力者層の中央政界との結びつき(クライエンテリズム)
4 クライエンテリズムによる「民主主義」の取り込み
──「もう一つの民主政」──
5 中央・地方政府の経営におけるSDGs の取り扱い
おわりに
第6章 グローバルな視点から見た法の支配
はじめに
1 ポスト冷戦時代の国際社会の変化
2 ポスト冷戦時代における法規範のあり方の変化
3 グローバルな法の支配の概念
4 ポスト冷戦時代の法規範のあり方の問題点
おわりに
第7章 汚職対策における制度化の限界と政治意志の規定性
はじめに
1 グローバル規模の汚職との闘いにおける過去と現在
2 政治的側面から見た途上国の汚職問題と取組み
3 インドネシアとカンボジアの汚職対策機関を通じた政治性
4 開発援助機関による権威主義支援への対応策
おわりに
第8章 「民主的開発国家」は可能か
──アンゴラとルワンダの比較研究──
はじめに
──主要な論点──
1 いくつかの重要な概念と議論
2 アンゴラ,ルワンダの政治的発展の概要
3 経済開発,ガバナンス,民主主義,脆弱性の移行プロセス
4 アンゴラとルワンダの政治過程の違いに影響を与える要因の分析
おわりに
──結論と政策的含意──
第9章 アジア太平洋の地域的枠組みがもたらす国家ガバナンスの変容
はじめに
1 国家ガバナンス
2 アジア太平洋の地域的枠組み
3 地域的枠組みがもたらしたもの