はじめに(児美川孝一郎)
第Ⅰ部 公教育の現在と未来
第1章 第4次産業革命と教育の未来
――ポストコロナ時代の学校改革――(佐藤学)
第1節 パンデミックで激変した社会と教育
第2節 ICT 教育市場の爆発的拡大
第3節 問われるICT 教育の未来
第4節 コンピュータの教育効果
第5節 デジタル機器の有効活用
第6節 未来に求められる能力
第7節 学校の未来への政策課題
第2章 公教育改革構想の現在
――競争国家戦略下における改革政策の展開――(横井敏郎)
第1節 公教育改革構想を捉える視野
第2節 日本型公教育制度の編成原理とその修正
第3節 Society5.0に基づく教育政策の展開
第4節 公教育改革構想の内容分析
第5節 競争国家戦略下の公教育改革構想
第Ⅱ部 公教育改革をめぐる政策展開
第3章 Society5.0の人材構想と文部科学省の人材像(中嶋哲彦)
第1節 総合科学技術・イノベーション会議の教育・人材育成政策パッケージ
第2節 文部科学省の未来社会像と人間観
第3節 教育における人間観
第4章 文部科学省と経済産業省
――4人の官僚の語る「一人一台」政策の内側――(氏岡真弓)
第1節 文部科学省 対 経済産業省
第2節 並走期(2017~2018年度)
第3節 協働期(2018~2022年度)
第4節 第3期(2023年度~)
第5章 官邸主導・政治主導改革の展開と新自由主義教育政策(石井拓児)
第1節 新自由主義政策アイデアとしてのSociety5.0
第2節 階級権力の回復としての新自由主義――民主主義の危機の深層
第3節 日本における新自由主義改革の進展と民主主義をめぐる90年代的諸相
第4節 官邸主導・政治主導の行政改革と新自由主義
第5節 第二次安倍政権以降の官邸主導・政治主導をめぐる新しい制度特質
第6節 新自由主義改革がもたらす社会的危機の進行
――専門知の危機と民主主義
第Ⅲ部 公教育への民間教育産業の参入
第6章 公教育と民間教育産業の戦後社会史
――棲み分けから侵入へ、そして公教育の溶解?――(児美川孝一郎)
第1節 第1期――公教育と民間教育産業の「棲み分け」
第2節 戦後教育の二元的構造
第3節 第2期――民間教育産業による公教育への侵入
第4節 戦後教育の二元的構造への新自由主義の浸食
第5節 第3期――民間教育産業の躍進へ
第6節 何が起きたのか?
第7節 Society5.0下における公教育の変容
第8節 民間教育産業と「連携・協働」する公教育の姿?
第9節 未発の問いへ
第7章 教育政策の市場化・私企業化の現在(大内裕和)
第1節 大学入試・高校入試の市場化・私企業化
第2節 教育政策の市場化・私企業化の出発点となった臨教審
第3節 教育政策の市場化・私企業化を支えた社会構造とイデオロギー
第4節 教育政策の市場化・私企業化の第二段階
――公教育の外から公教育の中へ
第5節 根底から問われる教育政策の市場化・企業化
第8章 民間教育企業による公教育への進出の両義性に関する検討
――過疎地域における社会課題の解決のビジネス化に着目して――(高嶋真之)
第1節 民間教育企業の批判的な受容に向けて
第2節 民間教育企業による公教育への進出の今日的動向
第3節 過疎地域における自治体と学習塾の連携の事例分析
第4節 民間教育企業の両義性と公教育の変質の制御
第5節 今後の教育政策研究の課題と期待
第Ⅳ部 個別最適な学びとEdTech
第9章 デジタル化による教育課程と教育方法の支配(子安潤)
第1節 デジタル化の課題
第2節 Society5.0から「GIGA スクール構想」へ
第3節 PC の配付とデジタルコンテンツの利用
第4節 デジタルアプリケーション・コンテンツと画一化・貧困化
第5節 学習ログと評定・管理・監視問題
第6節 デジタル化より学びの豊かさを
第10章 「個別最適な学び」と義務教育
――審議会等での論点と課題――(柏木智子)
第1節 「個別最適な学び」への輻輳的期待
第2節 「公正」および「個別最適化された学び」の登場と消滅
第3節 「個別最適な学び」の意義と課題
第4節 学校の役割に関する検討と公正の再登場
第5節 学校と教育における民主的価値の再検討
あとがき(横井敏郎)