序 章 戦後東アジアの経済発展と中国・台湾 (田島 俊雄・加島 潤・湊 照宏)
1 問題意識
2 本書の構成
第Ⅰ部 冷戦下の経済体制と発展戦略
第1章 中国の重工業発展と五小工業 (田島 俊雄)
はじめに――旧中国の遺産とソ連モデルの受容
1 計画経済期の資本蓄積構造と国家財政
2 地方工業化と産業組織
3 技術移転の構造
おわりに
第2章 台湾経済の構造変化と工業化 (湊 照宏)
はじめに
1 脱植民地化――土地改革と公営企業
2 1950-60年代のマクロ経済概観
3 米国援助と輸入代替工業化――保護政策と内資育成
4 政策転換と輸出志向工業化――紡織業と電子機器製造業
おわりに
第3章 1970年代中国における農村経済の変容と食糧統制の弛緩 (松村 史穂)
はじめに
1 食糧政策の運営
2 農村における食糧需給の変化
3 格差持続のメカニズム
おわりに
第4章 計画経済期中国の金融制度と地域金融システム (門 闖)
――1960―70年代における銀行管理の分権化を中心に
はじめに
1 中国金融史における1960-70年代の位置付け
2 1960-70年代における銀行業の組織構造
3 計画経済の銀行計画と資金配分――1960年代の変容を中心に
おわりに
第5章 中国社会主義財政システムの改革と地方財政の機能 (加島 潤)
――県レベルの視点から
はじめに
1 社会主義財政システムの構造と改革
2 県レベル財政構造の変動
おわりに
第Ⅱ部 産業発展の軌跡
第6章 1950-60年代台湾における石油化学工業・鉄鋼業の発展 (洪 紹洋)
――地域資源の利用による小規模生産
はじめに
1 台湾における石油化学工業の発展
2 台湾における鉄鋼業の発展
おわりに
第7章 計画経済期中国の技術開発に関する一考察 (峰 毅)
――アンモニア工業を事例に
はじめに――アンモニア工業とは
1 西側諸国と中国のアンモニア技術開発の相違
2 計画経済期のアンモニア技術開発
3 改革開放政策下での変容
おわりに
第8章 中国の立窯セメント生産の役割と限界 (峰 毅)
はじめに
1 立窯とは
2 計画経済期の中国セメント工業
3 改革開放後も増加した立窯生産
4 環境問題と業界再編成による立窯淘汰
おわりに
第9章 農業機械工業の中国的展開 (田島 俊雄)
はじめに
1 北京内燃機廠と常州柴油機廠
2 農業機械化政策の展開と農業機械工業
3 移行経済期の農業機械工業
おわりに
終 章 冷戦期中国・台湾の経済発展 (加島 潤・湊 照宏)
1 冷戦期までの工業化の影響
2 政府および公的企業の役割
3 地方分散的な属地的発展