2度のがんにも!不死身の人文学
超病の倫理学から、伴病の宗教学をめぐって
著:前田 益尚
内容紹介
すべての「困難」を抱える人のヒントになる、2度めのがんとの闘病記
咽頭がんの宣告から15年を経て、新たに歯肉がんの宣告……。
2度のがんになりながら、「授業継続」の〈信念〉と〈執念〉で天職を全うしようとする著者。2度目のがんとの闘いは〈信念〉〈執念〉に加え、自分の意志ではどうにもできない状況に〈祈念〉や〈想念〉を取り入れた、より進化したものへ!
人間、窮地に立たされて、はじめて決断を下す場合、参照できる記憶があるかどうかで、少しでも後悔のない決定に至れるような気がしています。そこで、本書を読まれた方が、がんに限らず、逆境に立たされた時、少しでも参照できる内容になれば、本望です。(「まえがき」より)
目次
Ⅰ 2度のがんで、超病の倫理学
―15年前の享楽に基づく入院生活は、独り善がりだったのかもしれません―
1 楽天的な闘病論から、進歩した超病のための倫理学序説
前田の先行研究を検証して
進歩のはじまり
2 入院中も、教育者であり続ける! 〈信念〉の倫理的な意義と〈執念〉の効用
待ったなし! 就活指導のメディアが、“分刻みで!“常勝志向
学生と病室を結ぶGoogle classroomの課題と解説で、瓢箪から駒
スマホ同士のオンラインゼミも、“分刻みで!“ディープな世界観を探求
3 教科書には載っていない! プロ患者(lay expert)による徳を積む創意工夫
食事をめぐる徳のある工夫
食べ方で! 最大の幸福(/リスク最小)をもたらす創意と工夫
痛みをめぐる徳の効用
シャワータイムの使い手として、一角の人物像
一旦! おわりに―誰も、再発するなど考えない―
Ⅱ 再発したら、伴病の宗教学
―自身で工夫する余地が無くなったら、何かに縋る著者も人の子―
1 “ゴッドハンド”に代わり、女神の降臨―信仰するがんには、迎え撃つ化学療法も―
2 伴病の宗教学へ
3 メディア論者の宗教学序説
4 そして、〈祈念〉の結果論
少なくとも、わが病棟におけるジェンダーフリー
コラム 個人的なパンク脳科学
Ⅲ 果ては、不死身になれる文学へ
―少なくとも、書物の中で、著者は消えません―
1 さらに、難病は〈想念〉の文学へ
2 ポスト・ある子穂リズムが教えてくれた〈想念〉の世界観
ISBN:9784771037717
。出版社:晃洋書房
。判型:4-6
。ページ数:220ページ
。定価:1700円(本体)
。発行年月日:2023年07月
。発売日:2023年08月01日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VF。