まえがき
凡例
第Ⅰ部〈存在と時間〉――永続する現前性の断念、言葉を返す愛――
第1章 歴史を生き、歴史を存在する――ディルタイとの対決と〈存在と時間〉――
1 哲学の歴史の解体と「体系」の構成
2 歴史的生という根源現象――アプリオリ主義と歴史主義の手前
3 存在するものから歴史的なものをまもる
4 歴史を生き、歴史を存在する
5 〈存在と時間〉を問う
6 存在することの歴史――歴史を生き、存在する別の仕方
第2章 『存在と時間』という迷い道を反復する――言い応じる愛へ――
1 作品ではなく道
2 同じだが同じでない――『存在と時間』という迷い道を反復する
3 『存在と時間』からエアアイグニスへ
4 固有なものを失う出来事
5 固有なものの喪失を耐え抜く愛
第3章 死すべき人々の可滅的な世界
1 〈存在と時間〉という根本問題
2 現前せずに現前する
3 失われた故郷を求めて
4 世界が世界となる――存在者がありのままのものであるように
5 継ぎ目の外れた世界で異他のものに扉を開く
第Ⅱ部 世界を気遣う――名のない神にこだまを返す――
第4章 応答する言語――ヘルダー言語起源論解釈を手がかりに――
1 感覚の言語と理性の言語
2 言語の根源――(耳を)澄ます
3 静寂の響きに言い応じる
4 (存在者の話す)存在の言葉へのずれた応答
5 声を発するものたち
第5章 名のない神にこだまを返す――マイスター・エックハルトとハイデガー――
1 計算する思考と省察する熟考
2 第一の存在者か、語られえないものか
3 なぜの問いからなぜなしへ
4 放つ突破、そして、エアアイグニスのなかへの放ち
5 流出に応じる突破、そして、エアアイグニスに答えるエントアイグニス
6 名のない神にこだまを返す
第6章 世界への気遣い――ハイデガーとアーレント――
1 死の定めと世界からの隠遁
2 死すべき人々の公共空間
3 見捨てられ、存在を忘れられた存在者
4 何のために生まれ、何のために存在するのか――世界を気遣う
第Ⅲ部 ヒューマニズムとナショナリズム――世界への気遣いの限界――
第7章 そいつはただの動物だ――ヒューマニズムとその彼方――
1 人間という動物
2 ヒューマニズムと人間性――支配者、人材、牧人
3 人間と動物の階層秩序――そいつはただの動物だ
4 人間も動物も物資だ
5 象徴的食人
第8章 ハイデガーのナショナル・ヒューマニズム――デリダのゲシュレヒト(一族・同類)論のかたわらで――
1 ゲシュレヒト
2 多を集約し他を排除する――ハイデガーのナショナル・ヒューマニズムB
3 他に帰属し多の集約を自制する――ハイデガーのナショナル・ヒューマニズムA
4 世界の生成を気遣うナショナル・ヒューマニズム
第9章 ハイデガーの(反)国家社会主義と(反・)反ユダヤ主義――世界への気遣いの限界――
1 世界が世界となるように
2 ナショナリズムとヒューマニズムの連係
3 ハイデガーの(反)国家社会主義
4 国家社会主義もボルシェヴィズムもアメリカニズムも
5 ハイデガーの(反・)反ユダヤ主義
6 世界への気遣いの限界
初出一覧
あとがき
事項索引
人名索引