村と権力
中華人民共和国初期、華北農村の村落再編
著:河野 正
内容紹介
本書では、政権と村落秩序の両面から、中華人民共和国初期の農村社会を再検討する。中国共産党はどのようにして基層社会における政権を確立していったのか。中国の「村」はどのようにして現在の「村」となったのか。「村」の相対化を通じて、中華人民共和国初期の政策が農村社会に与えた影響を分析するとともに、当時の基層社会の在り方を明らかにする。
目次
序 章 現代中国の農村をどう見るか
1 二〇世紀の中国と中国農村
2 人民共和国成立と村
3 本書の手法
第Ⅰ部 華北地域・河北省の村と共産党
第1章 華北・河北省の村
はじめに
1 対象地域について
2 華北における村
第2章 成人教育・共産党機関紙の普及と展開
はじめに
1 成人教育
2 機関紙の普及と機能
おわりに
第3章 成人教育・共産党機関紙の効果と実態
はじめに
1 機関紙の効果
2 新聞の内容面の問題
3 通訊員について
おわりに
第Ⅱ部 人民共和国初期における村の変容
第4章 土地改革による村落の変容
はじめに
1 土地改革の概要
2 土地改革と村政権
3 土地改革における村の土地
4 村民意識の変化
おわりに
第5章 互助組・初級合作社時期の社会の組織化(一)――村意識と地主・富農
はじめに
1 農業集団化概要
2 農業集団化時期の地主・富農、村意識
おわりに
第6章 互助組・初級合作社時期の社会の組織化(二)――等価相互利益・余剰労働力
はじめに
1 農業集団化における等価相互利益
2 労働力利用の効率化と諸問題
おわりに
第7章 高級社の成立と瓦解
はじめに
1 中央における動向および認識
2 河北省における高級社
3 各社の事例から
4 高級社時期の地主と富農
おわりに
終 章 一九五〇年代華北における村と共産党
1 本書の内容
2 本書の位置づけと展望